2025.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エム・アールエフ RFIDで米韓2社の製品を訴求

佐伯 社長佐伯 社長

 エム・アールエフ(M・RF)は、高周波部品・機器の販売とコンサルタントを事業目的とする高周波の専門商社で、特徴を生かしたカスタマーサービスに定評がある。

 同社は、アメリカのRFIDタグメーカー、AXZON(アクゾン)と国内代理店契約を締結し、同社のUHF FRID温度センサータグの販売を開始した。主にコールドチェーン(冷凍冷蔵物流)用途でのビジネス開拓を目指す。

 RFIDビジネスでは韓国PHYCHIPS(パイチップス)のRFIDリーダー/ライター(R/W)ソリューションを長年販売してきたが、タグは取り扱っていなかった。

 パイチップスの高感度タイプ新製品(RFIDチップ「PR7」、RFID R/Wモジュール「WINE7」)の発売を機に、これらの製品にマッチしたUHF RFIDタグを製造販売するアクゾンと代理店契約を結び、タグビジネスへの進出を決めた。アクゾンはRFID温度センサータグの老舗で、UHF RFIDタグのリーディング企業。

 コールドチェーンは商品が消費者に届くまでの全工程を一定の低温状態で管理する物流システム。食品や医薬品、化学薬品、電子部品など温度管理が重要な商品に活用され、特に食品ロスの観点から重要性が高まっている。一方で設備投資や運用コスト増が課題だった。

 アクゾンのコールドチェーン向け温度ロガー「AZN5200-AFR」(UHF RFIDタグ)は世界初の貼って剝がせるタイプ(ピール&スティックタイプ)。アクティベートされると環境条件を感知してICに保存する。ユーザーは光インジケーターで、輸送中の環境条件の侵害の有無を確認することができる。価格訴求力のある使い捨てタイプとなっている。

 エム・アールエフは、パイチップスのRFID R/WモジュールとアクゾンのRFID温度センサータグを組み合わせた提案などを進める。エンドユーザーにはコールドチェーン関連(農場や物流業者など)、医療関連、データセンターなどを想定する。「本格販売に向け、システムインテグレーターなどのパートナー発掘も進める」(同社)。