2025.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】コアスタッフ 新サービス拡充で持続的成長へ
コアスタッフは、ウェブ販売と従来型の営業を組み合わせたハイブリッド営業を強みとするエレクトロニクス商社。不確実性が高まる中でも持続的な成長を遂げるため、新サービスを拡充し、さらなる成長を目指す。
「数年苦しんだ過剰在庫の調整が進み、いよいよ本格的な回復期に入ると期待していた矢先、冷や水を浴びせられた」と話すのは戸澤正紀社長。米国トランプ政権による関税措置の動きにより、設備投資が先送りされるなど一部では影響が出始めている。「心理的要因で受注にブレーキが掛かったが、実需が消えたわけではない。関税政策に一喜一憂せず、今やれることをやり抜く」(戸澤社長)。
こうした状況の中、同社は新サービス拡充を加速させる。今年6月から提供を開始した「ぶれいく」は、サプライヤーが一度の注文で受け付ける最低数量であるMOQを〝ぶれいく〟し、顧客の代わりに同社が購入。顧客は必要数量のみを購入することができ、余剰在庫を抱えるリスクが軽減される。
近年、製品サイクルの短期化や多品種少量生産が増加。サプライヤーのMOQに対応できる企業は一部に限られていた。MOQの制約をなくすことで、中小規模の量産を支援していく。
同社は以前から保有在庫製品を一個から購入できるサービス「ひとつから」を提供していた。ぶれいくでは、一つからの対象製品以外にも対応する。「これまで、一つからで保有していた製品は約7万点、ぶれいくを開始したことで、保有在庫10万点の体制を早期に構築したい」(戸澤社長)とし、要望の多いメーカー・製品から提供可能製品を増やしていく。
ぶれいくはプロダクトライフサイクルにおける量産期に最適なサービス。同社では、試作期に多く寄せられる少量の製品を短納期かつ一定期間確保したいというニーズに対し「おとりおき」を提供。生産台数も少なくなる終息期には、EOL(製造中止)製品のラストバイや現行品のまとめ購入に対応する「在庫バンク」を提供している。
ぶれいくのサービス開始により、プロダクトライフサイクルの全てにおいて、欲しい数量だけ購入できる体制が整った。