2025.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】飯田通商 パワー半導体など産機特定分野へ提案に力
飯田通商の国内営業は、顧客や地域との密接な関係を生かし、産業機器の特定分野への提案に力を入れる。磯崎克也副社長執行役員(営業支配人兼国内営業本部長)は「3~4年後に量産などの形で大きな動きが来る」と見通しを語り、コネクター、カメラ、パワー半導体といった商材を同分野の顧客に打ち出し、波に乗る構えだ。
磯崎副社長は、2025年度前半の国内産業機器分野について「市場は動いているが、顧客の在庫は残っている」と述べる。半導体製造装置や、それに続く実装機など一部の需要は戻ったとし、26年初め以降での幅広い盛り上がりに期待する。
23年以降、数多くの顧客で持ち込み展示・技術提案会を実施。ヒロセ電機製コネクターやローム製半導体、ニチコン、岡谷電機産業製の受動部品などを軸に、各種ソリューションを提案してきた。
さらに25年度は、主要仕入先であるヒロセ電機が9月(横浜)と11月(大阪)に開催する3年に1度の大規模イベント「ヒロセ技術展 CONNECTION2025」への集客を通じて、ニーズを吸い上げる。多様なアプリケーションに対応した新技術が登場するこの催しを機に、幅広い提案展開が可能になると見込む。
パワー半導体はロームの産業機器向けSiC製品の世代交代に合わせ提案を強化。競合に先んじた情報提供で需要取り込みを図る。
ソニーセミコンダクタソリューションズ製イメージセンサーでは、産業機器向けへの提案を基本としながらも、カメラユニットとしての使いやすさや、工数削減や開発効率向上といった付加価値提案を進める。
拡張性の高いIoT用ボードコンピューター「SPRESENSE」との組み合わせも提案。6月開催の「電子機器トータルソリューション展」では良好な反響を得た。
新用途開拓では、普段から取引のある幅広いメーカーと協業し、カスタム需要に柔軟に対応するとともに、産業機器分野で特に活発な領域をターゲットに、新規需要の創出を目指す。