2025.09.26 【関西エレクトロニクス産業特集】きんでん スマート工事用開閉器を開発 ヒューマンエラー防止で作業負担軽減

ヒューマンエラーを工学的に防止する開閉器

 きんでんは、安全性の向上と作業効率化につながる製品や工法の開発を進めている。このほど、作業中のヒューマンエラーを工学的に防止するとともに作業員の負担を軽減する「スマート工事用開閉器」を開発。安全で安心な作業環境の構築を実現した。

 新製品は、電柱の建て替え工事や高圧配電線の取り換え工事などで使用する工事用開閉器。

 架空配電用開閉器類などの配電機器を製造する三英社製作所と共同開発した。配電線工事を無停電で行う際は、電気の投入・開放を操作するための工事用開閉器、仮送電用のケーブルなどを使用し、電気の迂回(うかい)路を敷設して作業を行う。

 工事用開閉器の操作は、ヒューマンエラーによる作業中の事故につながりかねないリスクがある。このリスクを防止するために新製品はさまざまな機能や工夫を施した。

 つり上げ開放機能では、つり上げ時に荷重が加わることで、強制的に開放(切)状態とするため誤通電や地絡事故を防止する。タブレットを用いた遠隔確認機能により、開閉器の充電・検相状態などを可視化。

 インターロック機能は安全条件が整った状態のみロックを解除することができ、検相の誤認による誤投入と対象外機器の操作を防止。ワンタッチ式プラグイン端子の採用や運搬を容易にするキャスターを取り付け、作業員の負担を軽減する。

 6月発表の第64回製品コンクールでは新製品が「大阪市長賞」を受賞。

 つり上げ開放機能、充電・検相状態の可視化、インターロック機能などにより安全に作業できる点が評価された。