2025.10.01 エレクトロニクス業界標準団体 日本会員獲得に意欲 甘利氏ら登壇も
パネルディスカッションの様子。左から遠藤氏、甘利氏、ミッチェル社長
エレクトロニクス分野の国際標準化団体「グローバル・エレクトロニクス・アソシエーション」は、日本での会員企業獲得に向け意欲を示している。前身である「IPC」から6月に改称した同団体。9月末に発足後初のプレスセミナーを開催し、前衆議院議員の甘利明氏やNEC特別顧問を務める遠藤信博氏を迎え、パネルディスカッションを行った。
同団体は1957年に発足し、電子機器や部品の組み立て、製造の標準化に向けた活動を行っている。グローバルで3000社以上を会員企業とし、各国政府とも連携している。今回、ジョン・W・ミッチェル社長兼CEOが来日しセミナーを開催した。
同団体は、政策提言に加えて、業界洞察やステークホルダーとのコミュニケーションにも注力。標準規格によるサプライチェーンの協調促進と強化に向けて、これまで築いてきたエコシステムを活用している。
日本でのセミナー開催は、会員企業の獲得に向けたアピールの場という印象が強かった。ミッチェル社長は、「残念ながら、会員企業のうち日本企業は1%程度」とした上で、「存在理由はサプライチェーンの強じん性」という同団体の意義について力説した。
甘利氏、遠藤氏を招いたパネルディスカッションでは、両氏がグローバル・エレクトロニクス・アソシエーションへの期待の言葉を述べた。
甘利氏は「標準化に合わせるのではなく、いかに自分たちの技術を国際標準にするか。そのためには戦略的に標準化を進める必要がある」と強調。続けて、同団体の標準を「(政府間で行うより)スピード感がある」と評価。変化が激しいエレクトロニクス業界では、「(標準化を)うまく使っていくべき」と話した。
一方、遠藤氏は「標準化はマーケットから見たIP(知的財産)と言える」という観点からその重要性を語る。その上で、標準化には「ディスカッションの場が必要」とし、会員企業のコミュニケーションに力を入れる同団体に期待を込めた。