2025.10.02 Looopがスマートホーム事業に参入 IoTベンチャーグラモを子会社化

2日都内で事業説明会が行われた。右からグラモの後藤社長、Looopの中村社長、藤田総一郎COO。「目指すところは最初から一緒だった」と後藤社長は話した。

グラモは去年「9DOTs」を発売開始。両社は電力とIoTを掛け合わせた独自の価値創出を目指す。グラモは去年「9DOTs」を発売開始。両社は電力とIoTを掛け合わせた独自の価値創出を目指す。

 新電力のLooop(ループ、東京都台東区)は、IoTベンチャーのグラモを8月に完全子会社化したことを機に、スマートホーム事業に新規参入すると発表した。「電力×IoT」という独自のシナジーを生み出すことで、出力制御などの社会課題を解決するエネルギーマネジメント領域にとどまらず、生活者のくらし全体を便利で快適にする「未来の当たり前」の実現を目指す。

 自律的に業務をこなすAIエージェントを搭載したホームIoTの専用端末「9DOTs」に、Looopの市場連動価格制度を組み合わせて提供する。

 インターホンや、HEMSモニターなど50以上の機器を操作可能なユニットで、よく使う機能を本体にある9つのショートカットボタンに登録しておくことができる。さらに、グラモンは搭載されているセンサー情報やインターネットの情報を監視している。利用者が何もしなくても、音声で適切な提案をしてくれる。

 2032年に向けて9DOTsは、累計100万台の導入を目指す。当面は新築賃貸向けが中心だが、分譲マンションやBtoC(消費者向け)も視野に入れ、随時新しいデバイスを投入していく計画。

 現在、Looopの市場連動価格制度と9DOTsを掛け合わせた機能を開発中だ。開発中の機能では、電気代が安い時間帯とその時の行動、何円節約できるかをグラモンから提案。その日にグラモンが行ったことも報告する。

 さらに、EVの充電スケジュールを設定すると、出発までに必要な電気を充電してくれる。電気以外の機能では、決済の機能や内側カメラでの見守り機能の搭載も予定している。グラモンをインターフェースとして、ループとグラモンだから取れる家の中の行動データを使ってAI(人工知能)をトレーニングするという。

 2日に都内で行われた事業説明会で、同社社長CEOの中村創一郎氏は「AI×スマートホーム技術を掛け合わせることで余剰電力の最適活用、需給予測、高度な制御を実現できる。省エネや節約にとどまらず、家庭の快適さ、安心、利便性を高めて、人々の暮らしがより豊かになっていくことを提供していきたい」と話した。

 グラモの後藤功社長は「集合住宅がメーンだったが、ループと一緒になることで一般住宅に直接入れることを見据えた製品開発に取り組みたい」と意欲を示した。