2025.10.05 タムラ製作所と東北大、「先端パワーエレクトロニクス共創研究所」設置 素材や材料の研究開発推進
「タムラ製作所×東北大学 先端パワーエレクトロニクス共創研究所」が設置された東北大学産学連携先端材料研究開発センター
タムラ製作所と東北大学は、同大の産学連携先端材料研究開発センター(仙台市青葉区 、MaSC)内に、「タムラ製作所×東北大学 先端パワーエレクトロニクス共創研究所」を設置した。パワーエレクトロニクス関連の素材や材料、デバイス、モジュールの研究開発を推進し、新たな価値創造を目指す。
東北大では、ワイドバンドギャップ(WBG)半導体パワーモジュールや次世代電装コンポーネント、実装インテグレーション、磁性材料など最先端の次世代パワーエレクトロニクス技術の研究開発に取り組んでいる。タムラ製作所は、接合や絶縁に関する素材・材料や磁性受動部品、電流センサー、高耐圧ゲートドライバーなど、パワーエレクトロニクス関連製品の開発・製造・販売を行っている。
両者は共同で、WBG半導体に対応する高効率・高電力・高周波駆動の、素材から差別化した新しい磁性受動部品の創出を目指し、研究開発を進めている。2024年4月には、MaSC内に仙台アドバンストラボを開設し、2030年ごろの次世代磁性受動部品と関連製品の事業化に向け、材料開発から社会実装を見据えた評価までを一貫して実施している。
今回設置する「タムラ製作所×東北大学 先端パワーエレクトロニクス共創研究所」では、個別の共同研究の枠を超え、東北大の資源を最大限に活用して次世代パワーエレクトロニクスのコア技術創出を目指す。タムラ製作所のパワーエレクトロニクス関連コア技術と東北大の知見を融合させることで、素材や材料、デバイス、モジュールの研究開発を加速し、脱炭素社会の実現に貢献するパワーエレクトロニクス市場で新たな価値を創造する。設置期間は今年10月1日から29年3月末まで。
同研究所の具体的な取り組みテーマは①将来の社会実装を目指した素材・材料・デバイス・モジュールのマーケティング、要素技術開発の戦略設定②研究開発テーマの探索と推進③若手研究者の共同研究への参画実施、社会人博士を含めた高度研究開発人材の育成--の3点。
同研究所が設置されたMaSCは、経済産業省の施設設備費補助金を活用し、東北大の金属材料研究所や多元物質科学研究所、流体科学研究所、電気通信研究所、大学本部が連携して、これからの社会を支える先端材料を産学連携で実現することを目指し、14年1月に発足した産学連携拠点。