2025.10.22 「医師の経験を生かす」 松本デジタル相、就任会見でDX推進に意欲
就任記者会見に臨む松本デジタル相=22日、東京都千代田区
松本尚デジタル相は、22日にデジタル庁で就任記者会見を開き、長年医師として災害時なども含めた救急医療に取り組んできた経験を生かし、「全ての国民の皆さんにデジタル化の恩恵が行き渡るようにしっかりと取り組んでまいりたい」と強調した。医療分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促すことにも意欲を示した。
松本氏がデジタル化の重要性を強く認識したきっかけは、新型コロナウイルスの流行。コロナ対策を進める際に、集めた情報にリソースを突き合わせて配分するという一連の取り組みが「非常にアナログで問題がある」と実感したと振り返る。
その上で、平時からデジタルの力を駆使して有事に備える必要性を強調。医療DXに触れながら、「国民の健康、生命を守るためにも、誰一人取り残さないようにデジタル化を社会全体の中で進めていくことの重要性を感じつつ、仕事をしなければいけない」と力を込めた。
地方は、過疎化や少子化の影響で医療サービスへのアクセスが悪化するという課題に直面している。松本氏は、地方の発展にデジタルをどう生かすのかという質問への回答でこうした課題にも触れ、「アクセス性をカバーしていく、穴を埋めていくツールとしてオンライン診療、いわゆる医療全体のデジタル化というのはかなり役に立つ」とも述べた。
高市早苗首相から、関係閣僚と協力し社会全体のデジタル化を強力に進めるように指示があったことも明らかにした。松本氏は、ほかに行政改革担当相やサイバー安全保障担当相なども兼任する。高市首相はサイバー安全保障分野の司令塔としての役割にも触れ、サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」を含めた各種の取り組みを推進するよう指示を受けたという。
金沢市出身の松本氏は、金沢大学医学部医学科卒。1987年に医師免許を取得し、94年には同大で医学博士号を取得した。