2025.10.22 PFU、「HHKB Professional Classic Type-S」発売 高速タイピングと静粛性を両立

「HHKB Professional Classic Type-S」。本体カラーは「墨」「白」「雪」の3色を用意した

 PFUは21日、高性能コンパクトキーボード「Happy Hacking Keyboard(HHKB)」シリーズの新モデル「HHKB Professional Classic Type-S」を発売した。無線機能をあえて排し、有線接続に特化したシンプルな構成で、最上位機種「HYBRID Type-S」と同じ静電容量無接点方式のキー構造を採用。高速タイピング性と静粛性を兼ね備えた新たな標準モデルとして展開する。

 キー構造には、緩衝材を内蔵して打鍵音を従来比30%低減したType-S構造を採用。押下圧45g、キーストローク3.8mmに最適化することで、軽快な打鍵感と安定性を実現した。PFUドキュメントイメージング事業本部HHKBビジネス部の松本秀樹氏は「高速タイピングのスピード(Speed)と静粛性(Silent)の両立がType-Sの由来。リモートワーク時代にふさわしい静音性と操作感を追求した」と説明する。

 さらに、これまでハイブリッドモデルに限定されていた「キーマップ変更ツール」に対応。キー配列のカスタマイズが可能となり、ユーザーは好みに合わせた操作環境を構築できる。松本氏は「来年3月には、複数キーを1キーに割り当てるショートカット設定など、機能拡張を予定している」と述べ、プロフェッショナルシリーズ全体の進化を示唆した。
 
 松本氏はさらに「無線接続が当たり前の時代に、あえて有線モデルを投入したのは、安定した接続を求める固定利用者や、静音性を重視するユーザーの声に応えるため」と強調。HHKBユーザーの約3割がハイブリッドモデルを有線接続で使用しているという調査結果も需要を裏付けている。

クラシックモデル刷新し全シリーズ「Type-S」に統一
 Classic Type-Sの発売に合わせ、PFUはProfessionalシリーズの製品群を再編。ハイブリッド6機種とクラシックの一部モデルを販売終了し、シリーズ全体を「Type-S」構造に統一する。松本氏は「高級志向のHYBRID Type-Sに人気が集中していたが、より手に取りやすいクラシックにも静音モデルを加えることでバランスを図った」と話す。

 本体カラーは「墨」「白」「雪」の3色を用意し、従来の英語配列に加えて日本語配列も追加。計6モデルをそろえる。税込価格は3万1900円(税抜2万9000円)。電池を必要としない優先接続方式により、初代HHKBのミニマルなデザインを継承した。

 HHKBは1996年の登場以来、合理的なキー配列とコンパクトなデザインでプログラマーやクリエーター層に支持され、累計出荷台数は75万台を超えるキーボード。