2025.10.23 日立産機、新型オイルフリースクロール空気圧縮機を投入 幅広い現場ニーズに対応

新型オイルフリースクロール空気圧縮機「Gシリーズ」(3.7kW)

 日立産機システムは、周囲温度が高くても動作可能になった新型のオイルフリースクロール空気圧縮機「Gシリーズ」の販売を始めた。周囲温度が高い環境への設置に対応したことが特徴で、幅広い現場のニーズに応える。

 Gシリーズは、独自の冷却技術により、周囲温度45度の環境に対応。周囲温度に合わせて自動で圧力を調整する「ヒートセーフティーモード」をオンにすると、周囲温度が50度まで上昇しても、運転を継続できるという。

 新開発のパッケージで、設置スペースも大幅に削減した。従来の製品は吸排気のため、右側面にスペースを設けて設置する必要があった。新型は右側面に加えて背面も隙間なく壁につけて設置する「2面壁ピタ設置」が可能となり、設置スペースを大幅に減らした。

 新機能の「ECOモード」は、空気消費量が少ない場合に自動で圧力を段階的に下げ、消費電力を従来機に比べて約8%低減する。また、同じく新機能の低圧シフトモードは簡単に0.1MPa(メガパスカル)または0.2MPaの圧力低減を行うことができる。ECOモードと組み合わせて使用するとさらに効果を発揮する。

 さらに、Bluetooth(近距離無線通信)機能を介して同社の設備監視サービス「FitLive」コネクトアプリに対応するなど、顧客の環境に合わせて製品の運転管理や状態監視を行えるようにした。

 Gシリーズの提供を通じ、デジタル化された製品や設備を指す「デジタライズドアセット」をさらに拡充。そこから発生するデータに専門分野に関する深い知識や先進AI(人工知能)を組み合わせたデジタルサービスを成長産業へ水平展開するという「Integrated Industry Automation」に注力していく。

 オイルフリースクロール圧縮機は、給油不要でクリーンな空気を供給する圧縮機。製造装置などへの圧縮空気の供給源として多くの工場で使用され、多様な環境で圧縮空気を安定して効率良く供給することが求められている。