2025.10.29 衛星放送業界が大阪でセミナー、多チャンネルの広告増に向けて
盛況だった衛放協の多チャンネル広告セミナー
BSとCSの放送事業者団体、衛星放送協会の広告委員会が29日、大阪市内でセミナーを開き、多チャンネル放送の広告増収の道を探った。
同協会には、36社62チャンネルが参加している。当日は懇親会を含めて、衛星放送事業者やケーブルテレビ局、地上波放送、広告代理店などから約130人が出席した。
冒頭、広告委員会の宮澤辰之委員長(WOWOWプラス社長)が、現状について説明。「2024年度の会員広告収入はCS事業で165.3億円と減少傾向にあるが、24時間安定した視聴のメディアという特徴を生かして増収に努めたい」と語った。同委員長によると、3月末現在、多チャンネル総加入数は1255万世帯、普及率は22.5%で推移しているという。
セミナーでは、現状報告に続いて、パネル討論が行われ、ディアジオ・ジャパン、スペースシャワーエンタテインメントプロデューシング、東北新社から各担当者が出席し、現在の各社の取り組みを説明した。
洋酒「ジョニーウォーカー」の輸入販売元、ディアジオ・ジャパンのマーケティング部カルチャーマネジャーの鈴木健太氏は、「『ジョニーウォーカー』という知られたブランドとCM内容のバランスを取るのが難しい」と、名門ブランドだけに内容の扱いに苦慮したという。
親会社が音楽専門チャンネルなどを運営するスペースシャワーエンタテインメントの永澤旺之プロデューサーは「最近は(業容が多角化し)若い層にリーチしているという現状に留意していきたい」と語った。
東北新社で「囲碁・将棋チャンネル」を担当する林海斗アドセールスプランナーは、「子どもの趣味を支援するのに親世代もルールを知っておかねば、と親が将棋番組を見る傾向が強い」と分析した。
多チャンネル放送業界では、増収に向けた施策として、今後富裕層を注視していく方針だ。








