2025.10.31 タムラ製作所、メキシコ工場の生産能力拡大のため追加の設備投資を実施 北米データセンター向け需要に対応

追加の設備投資を実施するメキシコ第2工場

 タムラ製作所は30日、大型トランス・リアクターの生産能力増強のため、メキシコ工場で追加の設備投資を実施することを決めたと発表した。メキシコ工場では2023年度、24年度にも生産能力を増強したが、さらなる需要の拡大に備える。これにより同工場生産の大型トランス・リアクターの売上高は23年度比3倍を目指す。

 大型トランス・リアクターは、風力発電や太陽光発電設備のパワーコンディショナーのほか、直流給電による送配電、PDU(電源分配ユニット)やUPS(無停電電源装置)などの電源システムに採用されている。

 同社は欧州を起点に世界8拠点で大型トランス・リアクターを供給できる体制を整えているが、特に北米で生成AI(人工知能)の広がりによりデータセンター内PDUやUPS向けを中心に需要が大きく増加している。

 旺盛な需要に対応するため、同社は北米市場向けの大型トランス・リアクターを生産する拠点であるメキシコ工場「Tamura Power Technologies de Mexico」の生産能力を23年度に増強し、24年度には近隣地に第2工場を新設した。今回、第2工場に新たに生産設備を追加して生産能力をさらに高めるとともに、今後の一層の拡大も検討していく。メキシコ工場生産の大型トランス・リアクターの売上高について、24年度期初時点の計画では、27年度に23年度比2倍にする計画を立てていたが、これを2年前倒しし、25年度に23年度比2倍の売上高の達成を目指す。27年度には売上高を23年度比3倍に引き上げる計画。

 同社は、データセンター市場を注力市場の一つに位置付け、同市場向けに、大型トランス・リアクターのほか、サーバーやスイッチボード向け電子化学材料、UPS用の電流センサーやゲートドライバーモジュール、HVAC(冷却機器)用トランス・リアクターなど、多彩な製品を供給している。