2025.11.04 村田製作所、フィリピンの展示会で積層セラミックコンデンサーなど展示
マニラのPSECEで早雲大祐社長(左)とジャネット・イノセンシオGM
村田製作所は、10月28日から30日までマニラで開催された展示会「Philippine Semiconductor & Electronics Convention and Exhibition」(PSECE)に子会社を通じて参加し、ASEAN市場での販売強化に努めた。PSECEの主催はフィリピン半導体・電子工業会(SEIPI)で、今年で20回目となる。
MLCC(多層セラミックコンデンサー)をはじめとした各種コンデンサー製品を展示したのは、「Murata Electronics Philippines(MEP)」。MEPは、村田製作所の販売子会社。フィリピン製造子会社「Philippine Manufacturing Co. of Murata(PMM)」も、MLCCを中心として南部のバタンガスにある工業団地でコンデンサーを製造、先月に121億円を投じた新製造棟の竣工式が行われたばかり。
MEPの早雲大佑社長によると、フィリピンでは近年、データセンター(DC)の建設が増えており、DC向けの需要に期待しているという。電気自動車(EV)向けも堅調で、26年はEV向けで3~5%の増収を見込む。早雲社長は「同社売上高の80~90%は既存の顧客だが、PSECEへの出展は、新規分野と新規顧客獲得のため」と説明した。
同社ブースにアテンドしていたPMMのジャネット・イノセンシオGM(ゼネラルマネジャー)は「汎用(はんよう)半導体の需要は世界的にフラットだが、MLCCの需要は根強い」と語った。ヘルスケア、モビリティー、通信などの分野で需要が伸びているためで、工場の新棟建設もこうした需要増に対応するためという。日本から輸入している原材料の一部も現地生産に切り替えているとのこと。
イノセンシオGMによると、PMMは22年1月に、他の海外工場に先駆けて100%再生可能エネルギー(再エネ)利用に移行した。特に主力エネルギー源に地熱発電を導入した。加えて、6700枚の太陽光パネルを設置し、再エネの利用を促進している。この結果、再エネ導入を計画している他社の国内工場にとって、再エネ導入のモデル施設になっているという。
イノセンシオGMは「『環境を維持して社会に還元』をモットーに日々活動している。日々の活動を通じて国内でもポジティブな企業イメージで受け入れられている」と語っている。








