2025.12.01 9月度電子部品グローバル出荷、2ヵ月ぶりに前年同月比プラス 上期(4〜9月)累計では2%増に
25年9月の電子部品グローバル出荷額
電子情報技術産業協会(JEITA)が11月28日発表した9月度の電子部品グローバル出荷額は前年同月比10.9%増の4232億円となり、2カ月ぶりに前年同月比プラスとなった。AI(人工知能)サーバー・データセンター関連需要の拡大や、産機市場の回復などが需要をけん引した。これにより、2025年度上期(25年4〜9月)累計出荷額は前年同期比2%増とプラスを確保した。
9月度グローバル出荷の分類別では、「受動部品」が前年同月比16.7%増と大きく増加したほか、「変換部品」も同10.5%増と2桁増となった。「その他の電子部品」のみマイナスだった。地域別では、「アジア・その他」が同15.6%増、「米州」が同14.3%増となったのをはじめ、全ての地域でプラスとなった。
製品別では、コンデンサ―が同18%増、アクチュエーターが同14%増、抵抗器が同13%増、インダクターが同11%増、コネクターが同10%増などと高い伸びとなったが、音響部品は2桁のマイナスとなった。
電子部品グローバル出荷の前年同月比増減は、コロナ禍からの回復により21年から22年前半まで好調に推移したが、22年後半以降はICT関係や中華系スマートフォンを中心に調整色が強まり、22年末以降は産機市場でも在庫調整が広がった。23年もその流れが継続し、23年度累計の電子部品グローバル出荷は前年度比1%減となり、4ぶりに前年度比マイナス成長となった。
24年も産機・設備投資関連は低迷が続いたが、北米スマホ需要は堅調に推移。中国でのスマホやノートパソコンなどのICT関連も調整一巡により回復の動きとなった。AIサーバー/データセンター需要増大も、関連部品需要を拡大させ、為替の円安進行も日系電子部品メーカーの出荷金額を押し上げた。この結果、24年度累計の電子部品グローバル出荷は前期比3%増と回復した。
25年の電子部品市場は、BEV(バッテリーEV)市場の低迷は続いているが、長期の調整局面が続いていた産機関連はやや回復傾向となり、AIサーバー・データセンター関連需要は好調が継続している。円安も日本の電子部品企業には追い風となっている。懸念された米トランプ政権による相互関税の影響は現状では軽微にとどまっている。一方で、直近の中国をはじめとする世界全体の消費市場はやや力強さを欠き、先行きへの不透明感もある。
9月度の電子部品国内出荷額は前年同月比9.0%増の938億円と、2カ月ぶりにプラスに転じた。25年度上期累計の国内出荷額は前年同期比4%増となり、グローバル全体の伸長率を上回っている。










