2026.01.03 【製造総合特集】安川電機・上山顕治上席執行役員モーションコントロール事業部長 新たな産業自動化革命を視野に成長戦略を推進

 安川電機は、長期経営計画「2025年ビジョン」で掲げた「新たな産業自動化革命の実現」に向けて、工場のデータをデジタルで高度に管理し生産性の向上につなげるソリューションのコンセプト「i³-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)」に基づく事業の実績を積み上げている。

 2025年は半導体市場の回復が予想を下回り、伸びは緩やかだった。先端半導体分野で技術ニーズが高まっている。モーションコントロール事業部長の上山顕治上席執行役員は、事業環境を概観した上で「半導体市場の成長は間違いない。高精度の位置決めなど標準製品では代替できない領域で顧客と共創している」と述べた。中国市場も緩やかに回復し、日本国内では、マウンターの受注が急増。ASEANでの装置需要も拡大している。新型モデルに対応した生産設備を導入し、従来の4倍の生産能力で対応しているが、需要に追い付かない状況が続いている。

 北九州市八幡西区の本社も併設する敷地内に建設したアイキューブメカトロニクスを体現する基幹拠点「八幡西事業所第五工場」は26年3月に本格稼働を開始する予定で、最新の制御技術を導入した。

 具体的には、アイキューブメカトロニクスの中核を担う制御装置「YRMコントローラー」を用いて、工場の最小単位「セル」で制御。さらに、複数のセルをつないで自律分散型の制御を実現する「MPXマシンコントローラー」を駆使し、実際にモーターを製造。工場は見学会やショールームとしても活用し、顧客に対して「コントローラー主導」の新しい提案を行う。

 26年は、AI(人工知能)の進化と普及を追い風に半導体市場が一段と成長する見通しだ。同社はこうした潮流を成長のチャンスと捉え、得意とするモーションコントローラー技術や産業用ロボット分野の強みを生かし、成長戦略を加速する方針だ。

 上山事業部長は「26年は、機能性を向上した製品を定期的にリリースしながら半導体製造装置の進化にしっかりとついていく年にする」と強調。アメリカや韓国、中国で戻ってきている勢いや日本での装置メーカーの伸びを足がかりに、産業自動化革命の先頭を走ることに意欲を示した。