2026.01.03 【製造総合特集】東芝・高柳洋一技師長 グループ一丸で製造現場のデジタル化を強力支援
東芝は、「One東芝」を掲げる中期経営計画「東芝再興計画」に沿って、グループ一丸で国内産業の競争力強化を後押しする。2025年11月に開かれたオートメーションと計測の先端技術総合展「IIFES 2025」に多彩な技術を披露した。計装・制御システムの技師長で実行委員長を務めた高柳洋一氏は「IIFESで集大成を出し切った」と振り返る。
目玉は、東芝が開発したクラウド型PLC(制御装置)「Meister Controller Cloud PLCパッケージ typeN1」と、NTTの次世代通信基盤「IOWN」の中核技術を活用した遠隔制御のデモンストレーション。NTTの武蔵野研究開発センタ(東京都武蔵野市)に模擬生産設備を設けて、光ファイバードラムを介して遠隔地(東京ビッグサイト)のクラウド型PLCと接続し、約300km離れた拠点から生産設備を20ms以内の制御周期で遠隔操作する共同実験に成功した。自動車や電子機器の組み立てラインやマテリアルハンドリングに活用できる精度だ。
3月には、産業用途向けリストバンド型センサー「MULiSiTEN(マリシテン)MS200」を発売した。高所からの落下を検知する機能とGPS(全地球測位システム)を搭載した製品で、作業員の位置情報や安全状況をリアルタイムで把握できるようになる。東芝は、クラウド型PLCを組み合わせて、現場のデジタル化を推進する方針だ。
会場では、生成AIとIoTを融合したシステムも紹介し、分析・評価・提案を担う複数のAIエージェントをパッケージ化。東芝の製造現場で働く人の知見を学習させ、活用できる仕組みを構築した。さらに、エッジAIと連携したスマート制御のデモでは、音声指示でロボットを動かす仕組みを公開。加えて、ディープラーニングを活用した「強化学習AI」による制御システムも披露した。
26年は、現場で実際に働く人やシステムを組む人に向けて、IIFESで紹介したシステムを浸透させていく。また、伸びる需要に合わせ「データセンター推進部」も設立した。拡大する市場に対応する。高柳氏は「日本のものづくりを元気にすることがコンセプト。今年はクラウド型PLCとAIを活用してこれを実行していく」と意欲を示した。








