2026.01.22 【情報通信総合特集】NECネッツエスアイ・大野道生社長兼CEO兼CENO AIエージェント時代に備え基盤構築、プロジェクト始動し実効性検証

大野社長兼CEO兼CENO

 市場環境は堅調でネットワークやセキュリティーの分野では、サイバー攻撃の深刻化を背景に、企業の関心はむしろ高まっている。加えて、生成AI(人工知能)の急速な普及により、「AIをどう業務に実装するか」という相談が目に見えて増えてきた。

 AI活用が進むほど重要になるのがインフラだ。AIエージェントは業務システムやクラウドと自律的に連携し、膨大なデータを取りに行く。結果として、通信量は増大し、課金管理や不正挙動への備えは不可欠になる。AIは利便性の一方で、企業活動を脅かす存在にもなり得る。この両面を同時に考える必要がある。

 昨年12月に発表した「AI Agent Readyプロジェクト」は、その課題解決を担う取り組みだ。まずは自社の実業務環境でAIエージェントを動かし、ネットワークやセキュリティー、運用の実効性を検証する。その知見を顧客やパートナーと共有し、再現可能な導入モデルとして提示していきたい。仮想閉域ネットワーク「Virtual Trusted Overlay Network(VTON)」を活用し、AIエージェント専用の高速・低遅延で安全な通信環境を構築するほか、ふるまい分析による異常検知や自動遮断まで含めた運用を検証している。

 当社の強みは、マルチベンダーの技術を組み合わせ、顧客ごとに最適な形を設計できる点にある。AIエージェントをクラウドに置くのか、オンプレミス(社内運用)で動かすのかは企業のポリシー次第だ。その選択肢を柔軟に示せることが価値になる。

 昨年7月にはNESICホールディングスのもとで新体制が始動した。NECネクサソリューションズとの連携を強化し、同社のIT基盤と当社のネットワーク、施工・保守までを一貫してできるような関係性を構築していく。変化の激しい時代だからこそ、個社ではなくグループとして要望に応えられることが求められている。

 10月にはNEC本体から消防・防災分野の一部事業を承継した。全国に拠点を持ち、構築から保守まで担ってきた当社にとって、社会インフラを面で支える役割は必然だ。激甚化する自然災害に備え、レジリエンスを高めることは社会的使命でもある。