2026.01.22 【情報通信総合特集】三菱電機・武田聡専務執行役(CDO、CIO、デジタルイノベーション事業本部長) デジタル統合で変革加速、Serendie実装を本格化
武田専務執行役
2025年は、IT・デジタル部門が劇的に変革した年になった。デジタル基盤「Serendie(セレンディ)」を活用した「循環型デジタル・エンジニアリング企業」を目指す構想を具体化し、実行に移した。
4月には、社内ITと社外向けIT部門を統合した「デジタルイノベーション事業本部」が発足。本社のIT関連部門を分社化し、情報システム・サービス事業の子会社と統合した「三菱電機デジタルイノベーション」を発足させた。AWSとの協業や、「Serendie Street(ストリート)」を本格的に立ち上げたほか、初めてDX銘柄にも選定された。
また、OTセキュリティー事業強化のため、米Nozomi Networksの完全子会社化を決め、9月に発表した。
デジタルイノベーション事業本部は、ばらばらだった社内のIT部門と社外向けのデジタル事業部門を統合し、社内のデジタル化と事業のデジタル化を一元管理する。新組織のもと、三菱電機デジタルイノベーションではエンジニア約4000人を含むデジタル人材を集め、セキュリティーの強化やSerendieの実装開発を進める。
AI(人工知能)の活用は、単なるツールの利用の段階から業務への実装段階へ進化している。現在、設計コーディングの短縮やテストの自動化、バックオフィス業務など約160の生成AI関連プロジェクトが動いている。個人として生成AIを使うレベルでなく、組織として業務自体を生成AIに置き換えるものだ。ここで得たノウハウをサービス化したい。
特に注力しているのが、現場の機器やロボットを自立制御する「フィジカルAI」だ。クラウド依存によるコストや遅延、セキュリティーのリスクを避けるため、エッジ側で動作する軽量なSLM(小規模言語モデル)の研究開発も進めている。26年以降の重要な商品ターゲットになる。
今後、工場の制御技術であるOT領域のセキュリティーが極めて重要になる。三菱電機のOT領域の強みとNozomiの最先端のセキュリティー技術の融合で、セキュリティー事業をSerendie事業につなげていく。26年は社内での実証成果の商品化、世界市場への展開などにも注力する。










