2026.01.22 【情報通信総合特集】NECプラットフォームズ・河村厚男社長 市況の変化を成長機会に AIと現場改革で次の柱を築く
2025年は、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた取り組みの質が変わったと感じている。現場ではデータの蓄積が進み、次の段階としてAI(人工知能)を活用しながら業務の進め方そのものを変革する動きが強まった。生成AIも含め、AI活用は試行から実装へ移りつつある。AIは単に効率化の手段ではなく、データを価値に変え付加価値を生むための基盤になってきた。
一方で、通信インフラを中心としたテレコム市場は、設備投資の一巡などを背景に低迷が続いている。4Gの普及で利便性が十分浸透し、従来型の「人と人の通信」だけでは大きな投資が生まれにくい。こうした環境変化を踏まえ、当社は通信で培った技術・人材を、宇宙・防衛に振り向けている。通信と共通する要素も多く、当社の技術を生かせる領域だ。
変革の鍵は現場にある。工場改革の中核にデータ活用を据え、人や物の動きを可視化しながら業務プロセスを磨き込んでいる。掛川事業所(静岡県掛川市)では、デジタルツインを活用して部品準備作業の最適化に取り組み、作業負荷の大幅な低減につなげた。画像認識AIを用いた検査の高度化や、熟練技能のデータ化による技能伝承なども含め、現場DXを具体的に前へ進めている。省人化そのものが目的ではなく、現場をより強くし、価値を生む力へ転換していくことが狙いだ。
生成AIについては、使い慣れる段階を超え、個々で点在しているAI活用をつなぎ合わせ、全体最適を実現したい。AI活用が進むほど、人間にはより創造的な仕事が求められるようになる。だからこそ社員が挑戦しやすい風土が求められる。
26年は事業ポートフォリオの転換を一段と進め、AI活用と成長領域を加速させる。ものづくりでは、国内生産だからこそ実現できる価値を追求し、超多品種少量生産を強みに磨き上げながら、経済安全保障の要請も踏まえた「セキュアな開発・生産」を一体で進める。開発から生産、供給までの意思決定にAIを組み込み、事業全体を一気通貫で管理・最適化するものづくりへ進化させていきたい。将来的にはこの仕組みのサービス化も視野に入れたい。










