2026.01.27 心不全患者の在宅ケアをデジタル化 日立・阪急阪神HD・大阪大が超高齢社会視野に共同検討
患者と多職種の連携を促す「在宅心不全自己管理支援サービス」
日立製作所と阪急阪神ホールディングス(HD)、大阪大学大学院医学系研究科は、超高齢社会に対応した「在宅心不全自己管理支援サービス」の構築に向けた共同検討を始めたと発表した。健康・医療・介護に関する情報を集約した「PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)アプリ」やICT(情報通信技術)などを活用し、心不全患者の自己管理や医療・介護従事者との情報連携を強化することで、患者の重症化と再入院を防ぐ仕組みづくりを目指す。
実証の対象は大阪大学医学部付属病院に通う心不全ステージDの患者(重症の心不全患者)で、期間が2025年11月からの3カ月間。経済産業省による「多職種連携におけるPHR活用ユースケース創出実証事業」の一環で進める。
具体的には、阪急阪神HDが運営するPHRアプリ「いきいき羅針盤」内の心不全患者向け自己管理アプリ「LVAD 自己管理記録ノート」を利用する。患者はそのアプリに、日々のバイタルデータや問診内容を入力する。アプリ内には、管理栄養士が監修した心不全患者向けレシピや、同大医学部付属病院の協力を得て作成したセルフケア動画も提供し、自己管理の継続と行動変容を支援する。
記録されたPHRデータは、医師や看護師などの多職種が共有し、必要に応じて患者と双方向でやり取りできる仕組みを整える。これにより、適切な診察やケアを行い、在宅での重症化の予防につなげる狙いだ。
こうしたサービスの効果を、患者・介護者のQOL(生活の質)向上や多職種の業務効率化という観点から検証。必要なPHRデータの抽出も進め、持続可能なビジネスモデルの構築を目指す。
今後は、成果を踏まえ、対象を患者数が多い心不全ステージC、Bへ段階的に拡大する方針だ。26年度以降には、参画する医療機関や対象の患者数を増やし、医療・介護費の削減や経済効果などのデータを蓄積していく。
日本の医療・介護費は2040年度には94兆円規模に達すると試算され、医療資源の効率的な活用が急務となっている。特に心疾患は超高齢社会で患者増が懸念されており、在宅での自己管理の重要性が高まっている。






