2026.06.12 日本総研とNECが包括提携 SMBCグループのIT変革支援 AI前提に金融基盤刷新

 日本総合研究所とNECは、AI(人工知能)ネーティブ時代の次世代金融サービス創出に向け、包括的業務提携を結んだと発表した。SMBCグループが2026~28年度の新中期経営計画で基本方針の一つに掲げる「ITトランスフォーメーション」の実現を支援する。AI・IT環境の再構築を進め、急激な市場環境の変化に柔軟に対応できる金融サービス基盤づくりにつなげる。

 日本総研は、SMBCグループの中核IT企業として金融業務とシステムに関する知見を持つ。NECはAI、クラウド、セキュリティーをはじめとする技術力や実装実績を生かす。両社が連携し、AIを前提とした企画・構想からサービス開始、運用までのプロセス全体の高度化と、レガシーシステム刷新を加速する。

 提携では、SMBCグループの基幹業務システムを含むレガシーシステム刷新を共同で進める。リソース計画や企画・構想などの上流工程からサービス開始、運用までを一体で推進する。共同でのプロジェクト運営や権限の相互付与により、意思決定、合意形成、プロジェクト推進にかかる期間の短縮を図る。

 AIを前提としたサービス基盤と開発プロセスも再構築する。今後の新たな金融サービス展開や事業拡張を支える柔軟な環境を整える狙いだ。

 クラウドシフトも加速する。AIを前提とした開発環境、運用環境、各種プロセスを整備し、SMBCグループ全体のクラウド活用を広げる。セキュリティーファーストの考え方に基づき、AIを活用した脆弱(ぜいじゃく)性診断やパッチ適用サイクルの迅速化、セキュア・バイ・デザインの実践を通じ、サイバーセキュリティーも強化する。高度な拡張性と機動性、セキュリティー、レジリエンスを備えたIT基盤の確立を目指す。

 業務とシステム運用の自動化・自律化にも取り組む。AI活用でオペレーション全体を高度化し、金融業務の安定性と生産性を高める。現場が高付加価値な業務に注力できる環境を整え、顧客価値向上や新たな金融サービス創出を支える体制づくりを進める。

 両社は先端AI・IT技術の共同実証体制も構築する。グローバル基準で優れたAI・IT技術の動向を継続的に調査し、実証実験から導入検討までを行う。SMBCグループの新たな価値創出の可能性を広げ、次世代金融サービスや新しい顧客体験の実現につなげる。

 開発面では、要件定義から保守・運用まで、AIを前提とした開発プロセス全体の高度化と効率化を推進する。開発の生産性、品質、スピードを高め、将来のシステム刷新や事業変化を支える開発基盤を強化する。

 日本総研の内川淳代表取締役社長は「NECとの包括的業務提携は、SMBCグループのITトランスフォーメーションを着実かつ強力に前進させ、グループ全体の競争力強化と持続的成長を支える大きな意義がある」とコメントした。

 NECの藤川修副社長兼COOは「日本総研との包括業務提携は、AI時代のSMBCグループの金融サービスの進化、ひいては金融業界の未来を切り拓く重要な意味を持つ」としている。