2026.08.24 【エレクトロニクスに貢献する化学材料特集】積水化成品工業 AI需要拡大で、テクポリマー本格量産開始

低誘電用中空ポリマー微粒子の断面

 積水化成品工業は発泡技術や重合技術を生かし、幅広い産業の進化を支えている。電機・電子分野向けでは、独自の重合技術を用いたポリマー微粒子「テクポリマー」の用途拡大を推進。プリント配線板や半導体パッケージ基板など新たな領域での採用拡大に取り組み、事業の柱へと育てていく。

 テクポリマーは、メタクリル酸メチル、スチレンをはじめ、各種疎水性ビニルモノマーをベースとしたポリマー微粒子。添加剤として用いられ、液晶ディスプレーやLED照明の光拡散材としての光学用途のほか、塗料や化粧品など幅広い分野で使用されている。

 大きな特徴の一つが低誘電性。電子材料分野で求められる低誘電性に加え、樹脂粒子の強みである柔軟性を兼ね備える。従来から電子材料として利用されている無機系低誘電材料に比べて柔軟性や加工性に優れ、誘電特性も低いため、高速通信や高周波信号処理向けの電子部品などに最適だ。

 近年ではAI(人工知能)サーバーやデータセンター向けで需要が急増している。低誘電率に優れた中空タイプやハンドリング性を重視した中実タイプなど、幅広いグレードをそろえており、多種多様な顧客ニーズに対応する。

 昨年10月には柔軟性をより高めた「低誘電軟質ポリマー微粒子」を開発。柔らかく外力を吸収する能力が高いため、添加することで応力が分散され、反り・クラック抑制につながる。フレキシブルプリント配線板(FPC)や多層基板で課題となる脆弱ぜいじゃく性を克服し、さらなる微細加工を実現する。一方、低誘電率に優れた中空タイプは年初に顧客製品への採用が決まり、上期に生産数量を拡大。下期以降、本格的に量産を開始する。

 海外展開では今年10月に台湾で開催されるプリント配線板関連の展示会である「TPCA Show」に出展し、テクポリマーの強みを訴求。初出展した昨年よりも小間数を拡大し、新グレードなどを紹介する。