2026.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】NECネクサソリューションズ 木下孝彦代表取締役 執行役員社長

現場の知見を価値に転換、3社連携で上流・運用を強化

 2025年度は、自治体システム標準化という大きな節目を、自治体やパートナーの協力を得て計画通り完遂できた。事業移管の影響を除いても売上高は前年度比10%増、営業利益は50%増となり、移管分を含む全社では売上高が25%増、営業利益が70%増となった。営業利益率も11%を超え、中期計画で掲げたサービス事業の拡大と収益性向上をともに達成できた。

 26年度は標準化需要の反動を想定しているが、民間分野が着実に補い、業績はほぼ計画通りだ。メモリーを中心とするハードウエア価格やエネルギー価格の上昇で投資計画を見直す顧客もいる。それでもIT投資は不可欠になっており、自治体DXや製造現場のIoTなど新たな領域を伸ばしていく。

 4月に保守サービスを手がけるNECフィールディングが加わり、NESICホールディングスは3社約1万5000人の体制となった。当社の業種・業務知識、NECネッツエスアイの通信・インフラ、NECフィールディングの全国300カ所超の顧客接点と保守・運用力を掛け合わせる。構想、構築、運用を一気通貫で支え、次の成長へつなぐ「スパイラル型」の提案を進めたい。AI(人工知能)で構築工程が効率化するほど、上流と運用の価値は高まる。NECグループ全体の価値創造モデル「BluStellar」を生かしつつ、「Lite&Quick」の考え方で地域や中堅・中小企業に広げていく。

 AIは脅威ではなく、人手不足を補う大きなきっかけだ。まず自ら使いこなす「クライアントゼロ」を徹底し、各部門で少なくとも一つの業務をAIへ置き換える。複数のAIを検証し、顧客の業務に最適な形で実装できるようにしたい。

 その具体例が電話対応AIエージェント「Den.Ai」だ。自然な対話で問い合わせや予約を受け付け、会話の記録や分析まで担う。公共施設の問い合わせ対応で実利用が始まり、ホテルや医療機関などにも用途を広げたい。将来は人による対応と組み合わせ、BPOまで含めて支援する。4月にはパートナー営業部門を新設し、10月には地域を担うシステムエンジニアも合流を予定する。地域パートナーとも連携し、現場で得た知見を全国へ確実に横展開して、人手不足の解決につなげたい。