2020.09.18 【ASEAN特集】TOWA、マレーシアに新工場20億円投資、自活ビジネス拠点として推進
TOWAM新工場
TOWAはマレーシア・ペナンのバトゥ・カワン工業団地に建物だけで20億円を投資して同社最大規模の新工場「TOWAM」(敷地面積3万6461平方メートル、延べ床面積2万6015平方メートル)を建設し、1月に稼働させた。
TOWAグループの成長をけん引する大判サイズパネル、ウエハー対応の半導体樹脂封止装置の組み立てや改造、金属加工、搬送系ユニット製作の基幹工場だ。ASEAN地域の地産地消ニーズに応え、主力の半導体製造装置の組み立て、加工のほか、モノづくり力を生かしたTOWAグループ以外の装置の組み立て、加工などを行う自活ビジネス拠点として従来のTOWAM工場規模の3倍に拡大して立ち上げた。
蒲生喜代重TOWAMマネージングディレクター(MD)は「創業32年になるTOWAMの新工場だ。手狭だった旧工場から1月に全面移転し、2月の旧正月明けからスタートした途端、新型コロナ感染症拡大防止で3月にロックダウンになり操業を停止せざるを得なかった。ユーザーの協力を得て政府へ稼働申請を行い、何とか3月末に半導体製造装置の組み立てメンバーだけ出社でき、出荷遅延を起こさずに済んだ。4月中旬に加工メンバーが出社でき、全社員が出社できたのは5月4日からだ。操業停止期間中、バックオフィスメンバーは在宅勤務で乗り切り、ようやく通常操業状態に戻った。パラダイムシフトで挑むTOWA10年ビジョンで、TOWAMの目標である80億円の生産高倍増を達成するには、加工品の内製化率アップや自活ビジネスも始めることができる、スマートな工場づくりを進めていかなければならない」と話す。
世界最高峰のトランスファモールド装置YPMシリーズや樹脂使用率100%かつ顆粒/液状樹脂の両方に対応可能で最先端半導体デバイス工場での導入が進むコンプレッションモールド装置PMCシリーズの組み立て、トランスファ、コンプレッションの両モールド装置のマスター部品である搬送ユニットのハンドラの製造に加え、サプライチェーンの安定化のため外注していた加工品の内製化を始める。
年内にワークサイズ縦1×横2×高さ0.5メートルの大型研削盤と門形5面加工機を新たに導入。当面、大物加工品をはじめとして加工品内製化率を30%にまで引き上げる。TOWA蘇州から輸入しているプレス生産品もプレス設備を導入し、内製化する計画だ。
また、装置組み立て、金属などの加工、搬送制御ユニットなどのユニット製作のほか、TOWAグループで唯一手がけている板金加工による装置カバー製作、配線、ハーネスなどの製造ノウハウを活用。半導体製造装置の顧客の要望を取り入れたカスタマイズ設計を行う設計技術者30人の設計力も生かして、TOWAグループ以外のASEANの日系、外資の組み立て、加工、ユニット製作などを受注する自活ビジネスの開拓にも力を入れる。
蒲生MDは「お客さまとの仕様打ち合わせ、設計、生産、据え付けまで一貫した業務、作業ができるようにTOWAMの存在価値を確立していきたい。モノがよどみなく流れるスマート工場、お客さまに来ていただいて感動してもらえる工場をTOWAMで実現していく」と意気込んでいる。