2020.09.18 【ASEAN特集】メイコー既存工場で稼働率高めフル生産へ

メイコーエレクトロニクスベトナムの外観

井田 工場長井田 工場長

 メイコーは、ベトナムにおける製造子会社、メイコーエレクトロニクスベトナムで、設計から設備、プリント配線板、実装までのワンストップソリューションの事業体制を確立。新型コロナウイルスの影響で低調だった生産は徐々に回復し、下期は生産規模が拡大する見通しだ。

 ベトナム工場の敷地面積は17万平方メートル。フレキシブル配線板(FPC)、受託生産(EMS)の第1工場、スマートフォン、車載向け中心のリジッド系プリント配線板の第2工場が稼働。さらに4万5000平方メートルの第3工場棟が竣工した。

 コロナの影響下での稼働状況について、井田秀二工場長は「4、5月は自動車を中心に生産が停滞し、EMS事業も影響を受けた。6月からスマホ向けの生産が回復したのをはじめ、テレワーク需要なのか、タブレットPC、ゲーム機用の生産が好調だ。また、FPCもタブレットPC向けなどで動いた」と語った。

 それでも受注水準は以前に比べて低調に推移しているため、「まずは既存工場棟での稼働率を高めてフル生産にすることを主目的に、第3工場への設備投資は控え気味にした」(井田工場長)という。

 最近では「スマホ向けは、5G用の受注もあるが、むしろ既存のミドルレンジ機種向けの受注が増え、量的に生産規模が拡大してきた。車載用も回復は遅れ気味だが、在庫処理にメドが立ち、しかも電動車向けの受注が上向いている。今後、第3工場への生産設備の導入が必要になる」(井田工場長)とする。

 5Gで要求される微細化に対応し、次世代製造プロセスであるL/S=30マイクロメートル/30マイクロメートル以下の微細パターン化が可能なMSAP(モディファイド・セミアディティブ・プロセス)の一貫専門ラインも既に導入した。

 井田工場長は「ハイエンド5Gスマホが立ち上がっても対応できる体制を整えている」と述べ、成長戦略の実現に向けて万全の準備を進めている。