2020.09.18 【ASEAN特集】サガミエレク車載向けインダクタの生産拡大
サガミ・インドネシアの外観
サガミエレクは、インドネシアの生産子会社であるサガミ・インドネシアをインダクタの一大グローバル供給拠点として位置付ける。中国生産のリスク回避を考慮しつつ、需要が伸びている車載用インダクタの生産規模を拡大させている。
サガミエレクの橋本哲平社長は「車載向けの売上比率は10年ほど前には5%程度だった。オーディオのデジタルアンプ用インダクタの技術を、カーオーディオ向けに生かして車載分野での事業拡大に取り組んできた結果、欧州系自動車向けの受注規模が拡大した。また電装化率が高まり、車載用コイルの搭載点数が増加した。ECU、LEDライト向け、さらには接近センサー、コーナーセンサーといった安全系を中心とするセンサー用など電装向けの新規開拓が進展している」と語る。
DC-DCコンバータの車載搭載化率が高まっていることを踏まえ、DC-DCコンバータトランスの取り組みを強化しているほか、パワーインダクタの車載グレードの製品ラインアップを拡充させている。
現在では車載向けの売上比率が7割以上に達しており、その主力生産基地としてサガミ・インドネシアがグローバル量産基地の機能を担っている。
生産規模を拡大しているデジタルアンプ用インダクタは、閉磁路構造で低損失、低歪みの材料を使用し、最適な磁気回路技術と構造設計などで高音質をサポート。しかも2in1構造による省スペース化が可能だ。
これまで海外での主力工場だった相模電機(深圳)有限公司は、労働賃金の高騰や人手不足の深刻化などから、生産の自動化投資を進めながら生産規模を維持していく。
サガミ・インドネシアは12年に設立。当時は中国リスクをどう回避するかが課題となっていたため、同社はインドネシアにローコストオペレーションを求めて子会社を設置した。敷地面積9500平方メートル、建物面積が2階建て7400平方メートルの既存の工場を拡張し、生産能力を拡大している。