2020.10.21 【あかりの日特集】 JLMAがSNS、Webで情報発信 若い世代へ訴求力を強める
環境省の菊池室長は、密を避けるためにVTRで出演。司会はパックン(右)が務めた
1879年10月21日は、アメリカのトーマス・エジソンが世界で初めて白熱電球を40時間点灯することに成功した日だ。日本では1981年に同日を「あかりの日」と制定。日本照明工業会(JLMA)と日本電気協会、照明学会の照明関連3団体は「あかりの日」委員会を設立して、あかりへの関心を高める啓発活動に取り組んでいる。例年であれば、あかりの日前後にLED照明の普及促進を目指した街頭PRなどを実施しているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大を受けて中止。全国の小学生を対象としたポスターコンテスト表彰式のみ規模を縮小して17日に開催したが、WebサイトやSNSを活用したデジタルシフトの方向性を強めている。
今年で40回目を迎えたあかりの日。節目を記念して、東京のシンボルにもなっている東京スカイツリー(東京都墨田区)を舞台に、今年はJLMAのアンバサダーを務める、お笑いコンビ・パックンマックンのパックンを司会に起用したポスターコンテスト表彰式が大々的に開催されるはずだった。
新型コロナ禍でも盛り上げる
しかし、新型コロナの流行が収まらず、当初計画を変更。街頭PRや親子LED工作教室は中止するとともに、最優秀賞とスカイツリー賞の受賞者とその家族、一部関係者のみの小規模なポスターコンテスト表彰式を開催するにとどめた。ただ、そうした中でも司会を務めたパックンが場を盛り上げた。
表彰式の冒頭、平岡敏行会長(東芝ライテック社長)は、主催者代表あいさつで「あかりがLEDに代わるなど、世の中も大きく変化している」と指摘。その上で「工業会も新しい取り組みを行っており、今ではSNSを使って情報を発信している」とし、時代に合わせて変化している点を強調した。
さらに「パックンにも協力してもらい、フォロワー数は2万件を超えた。工業会の活動をもっと知ってもらい、『危険なあかり』を換えてもらうようにしたい」と述べた。
例年、表彰式に出席している環境省も今年はVTR出演。地球環境局地球温暖化対策課脱炭素ライフスタイル推進室の菊池圭一室長は、近年頻発する集中豪雨などの気候変動について触れ、「環境活動への取り組みとして、クールチョイスの実践をお願いしたい」とメッセージを送った。
コンテストの審査委員長を務めた東京芸術大学美術学部デザイン科・大学院美術研究科の山﨑宣由准教授もVTR出演。「ユーモアやアイデアのある作品が多かった。様々な色を使ったりぼやかしたりし、塗るための技法を工夫して豊かな表現をしているのが印象的だった」などと応募作品の評価を述べた。
倍増近い1984点の応募総数
今年で20回目となったポスターコンテストは「あかりに関するもの」をテーマに全国から募集。コロナ禍でどれほどの応募があるか当初は見通しにくかったが、結果的には、昨年の1001点から倍増近い1984点の応募総数となった。その中から最優秀賞1点、優秀賞10点(うちスカイツリー賞1点含む)、入選30点を決めた。
最優秀賞を受賞した大阪市立高殿小学校1年の福井愛菜さんは、受賞の感想をパックンに聞かれ、「最初はびっくりしたけど、後からとってもうれしくなった」と話した。
今回、特別に設けられたスカイツリー賞を受賞した太田市立韮川小学校(群馬県)6年の赤羽根莉子さんは「賞に入るとは思ってなかったので、とてもうれしく思います」と話した。
入選作品は、東京スカイツリー5階に11月13日まで展示されている。
街頭PRなどを行わない代わりにデジタルシフトを強めるJLMAは、LED照明を分かりやすく解説する、毎年作成している「住まいの照明 省エネBOOK」をWeb上で公開した。
21日から、SNSやWebサイトから応募できるあかりの日プレゼントキャンペーンも実施する。スピーカ付きLEDシーリングライトなどが抽選で当たるもの。
SNSのフォロワー数を増やすとともに、若い世代への訴求力を強めたい考えだ。