2021.01.01 【年頭所感】情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)・古田英範会長 多くの産業のDX促進

古田 会長

 2020年は感染症対策と経済活動の維持という大きな課題に直面するとともに、菅政権の発足やアメリカ合衆国大統領選挙、2020オリンピック・パラリンピック大会の延期など、政治経済において大きな動きがあった。我々の生活においても、テレワークやオンライン授業の利用が進むなど、大きな変化が起こった一年となった。

 一方、秋から年末には、スーパーコンピュータ「富岳」の2期連続での計算速度世界一獲得、小惑星探査機「はやぶさ2」の帰還という、まさに日本の技術力、ものづくりの強さを世界に大きくアピールする喜ばしい出来事もあった。

 さて、私たち情報通信ネットワーク産業界においては、昨年春に5Gの商用サービスやローカル5Gの導入が開始されたことが大きな出来事の一つとなった。

 5Gは、AI(人工知能)やビッグデータなどとともに新たな価値創造を可能とする技術で、医療、金融、流通、交通、農業、製造、建設など多くの産業のデジタル化や高度化に貢献できる技術として大きく期待されている。

 そして、パンデミックへの対策や、大規模化、激甚化する自然災害への対応など、生活や経済社会への様々な脅威に対するレジリエントな社会インフラを構築するためにも、5Gをはじめとする情報通信ネットワークの重要性はますます高まっている。

 政府においても、5Gの研究開発促進のための大規模な予算措置や、5Gの普及促進のための減税措置の実施に加え、地域の課題解決を支援する高度無線環境整備推進などの取り組みを進めている。また、昨年末に閣議決定された2020年度第3次補正予算においても、5Gに続く、Beyond5Gの研究開発を加速化することが検討されている。

インフラ発展に尽力 

このような状況下、CIAJは、ポストコロナやニューノーマルと言われる時代を見据えながら、多くの産業におけるデジタルトランスフォーメーションや日本の経済の活性化を支える情報通信インフラの発展に引き続き尽力するとともに、ソサエティ5.0の実現やSDGsの達成に貢献していきたい。