2021.02.17 【エアコン特集】空気質向上の需要高まる

家電量販店のエアコン売り場

 昨年から続く新型コロナウイルスの影響で、在宅時間の増加と部屋の空気質向上に関する需要が高まり、ルームエアコンに注目が集まっている。

 リビングなどに設置するエアコンの買い替えでは、長時間使うことが多いため、省エネ性や清潔性など高付加価値のフラグシップ機の人気が高い。一方で、これまでエアコンを使用していなかった部屋への追加購入では、価格面から普及機を選択するユーザーが多い。ニーズが二極化する中、メーカーは「今お客さまが一番求めている『空気質向上』に応えるべく、普及機にも付加価値のある機能を搭載し、お客さまに寄り添うエアコンを訴求する」と力を込める。

 富士通ゼネラルのテレビCMでも、これまでは特定の機種をPRするものだったが、今月から放映を開始した新CMでは「nocria(ノクリア)」ブランドをPRする内容に変更している。

 日本冷凍空調工業会(JRAIA)によると、20年12月単月のエアコン出荷台数は前年比8.6%増で、3カ月連続のプラスとなった。20年累計でも、前年比0.6%増の986万9000台となり、5年連続で増加。1972年以降で、過去最高の出荷台数となった。

 21年も900万台を超える出荷台数に期待がかかる。メーカー担当者は「950万台と強気な予想もあるが、天候に大きく左右されるだろう。昨年は空気質向上が販売の後押しになったが、エアコンはあくまで気温を快適にするもの。冷夏や暖冬であれば売上げは伸びない」と冷静に予測を立てた。

 家電量販店、地域店ともにエアコンへの期待も高く「省エネ性や清潔性を重視したお客さまが多く、機能面に関する質問を多く頂く」と、量販店担当者はいう。

 昨年の緊急事態宣言中に休業したことが響き、一時期は売上げが半減した地域店も「エアコンのフラグシップ機に人気が集まったことで客単価が上がり、売上げが回復傾向にある」と話す。