2019.10.24 【次世代自動車用部品特集】車載用電子部品ビジネス、中長期での拡大めざす

車載用5G/LTEモジュール

車載用アルミ電解コンデンサ車載用アルミ電解コンデンサ

 電子部品メーカー各社は、次世代自動車に照準を合わせた技術開発を一段と活発化させている。現在の自動車市場は「CASE」「MaaS」などをキーワードに、「100年に1度」とされる大きな変化の時代を迎えている。電子部品各社は、これらの技術変革や業界の構造変革をビジネスチャンスと捉え、将来のニーズを先取りした取り組みを進めることで、車載用電子部品ビジネスの中長期での拡大を目指す。

 自動車市場は、電子部品産業の中長期の成長をけん引する最重要分野の一つ。車の世界生産台数は、乗用車と商用車(トラック/バス)を合わせ年間9000万台を超え、安定成長が続いている。20年頃には年間生産台数が1億台に到達すると予測されている。

 CASE(コネクテッド、オートノマス、シェアード&サービス、エレクトリック)は、今後のモビリティ革命をけん引する四つのメガトレンド。これらにより、カーエレクトロニクス技術は大きく変貌し、中長期で市場を大きく押し上げていくことが予測されている。電子部品各社は、これらの変化に対応するための技術戦略やマーケティング戦略に努めている。

 分野別では、「コネクテッド」に関しては、高速伝送対応や通信品質の向上に向けた電子部品・モジュール開発が活発。「オートノマス」では、車載カメラ部品やセンサーなどの開発が活発化している。「エレクトリック」では、EVなどの環境対応車向けに、大電流・高耐圧部品の開発や次世代パワー半導体関連部品などの開発が進展。「シェアード&サービス」では、MaaS関連市場に向けた新たなビジネスモデル構築などの動きが見られている。

 自動車の世界生産は、08年秋のリーマンショック後の急減、11年の東日本大震災やタイ洪水に伴う生産停滞の後は、12年から17年にかけて堅調な増加が続いた。18年は米中貿易摩擦激化に伴う中国の消費市場減速により、世界最大の自動車市場である中国での新車販売台数が28年ぶりに前年を下回り、欧州市場も、18年の秋口以降は軟調に推移した。

 19年も、世界的な自動車販売減速傾向が継続しているが、そうした中でも、車の電子化・電動化や高機能化に伴う車載用電子部品市場の広がりにより、電子部品需要は比較的堅調を維持している。

 車載用電子部品市場は、車の高機能化やEV/HEV化進展を背景に、車の生産台数の伸びを上回る成長が毎年続いている。特に、ADAS/自動運転のキーデバイスであるセンサーや通信系デバイス、撮像系デバイス、EV/PHV向けパワーデバイスなどは、車の技術進化とともに高い成長を遂げている。20年代半ば頃からは、車載5G(次世代高速通信規格)関連需要も本格的に立ち上がる見通し。

 電子情報技術産業協会(JEITA)が昨年末に発表した「2030年における車載用電子制御装置(ECU)およびCASEからみた注目デバイスの世界生産額見通し」では、ECUの世界生産額は30年には17年比で約2倍に、CASEに必要とされるデバイスは30年には同約4倍と、飛躍的な拡大が見込まれる。

 電子部品メーカー各社は、自動車業界の地産地消要求の強まりに対応するため、生産・供給体制や技術サポート体制の強化に力を注いでいる。各社は、日米欧をはじめとする主要自動車メーカーやTier1に対し、顧客の近場での供給や技術サポートのための体制構築を進めることで、顧客満足度の向上や事業のスピードアップを目指す。

 特に最近は、米中貿易摩擦に伴う見通しの不透明さが増していることもあり、これまで以上に最適なサプライチェーン構築や、生産拠点の複線化などが重要性を増している。

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