2021.03.26 【中国拠点特集】オータックスオータックス鶴山工場

富田 社長

鶴山工場の外観鶴山工場の外観

アルミ加工製品の生産増強を図る

 オータックスは中国に3工場(深圳、江門、無錫)を展開。マザー工場の「欧達可電子(深圳)有限公司」(深圳市)は、電子部品の自動化生産を強力に進めるとともに開発センターとしての機能強化に努める。新工場の鶴山工場(江門市)はアルミ加工製品の拠点として生産を増強している。

 鶴山工場は、アルミ加工事業拡大に向け、手狭だった「欧達可精機(深圳)有限公司」に替わる新たな工場を建設したもので、20年2月に本格稼働した。

 土地面積6万8598平方メートルと広大で、第1期に二つの工場棟(延床面積約3万4000平方メートル)が完成。屋上には太陽光パネルも設置した。プレス機30台、CNC250台をはじめとする各種設備が導入され、今後もアルマイトライン増設などを順次進める。アルミ製品を一貫システムで生産することで信頼性向上と生産コスト低減を追求。自動機の設計・製作は深圳開発センターで内製する。

 数年以内に第2期建屋建設も行う計画で、完成後の鶴山工場の総延べ床面積は7万9000平方メートルまで拡大。先々の拡張用の敷地(約6万平方メートル)も確保している。

 鶴山工場では現在、テレビフレームを中心としたアルミ加工を行っており、「最近は中国系テレビメーカー向けのビジネスが増えている」(オータックスの富田周敬社長)。第2期拡張後は電子部品も製造する予定。将来は電子部品の受託製造業務も視野に入れる。

 欧達可電子(深圳)は、DIPスイッチや電源スイッチ、端子台などを製造。自動化・省力化を追求し、新製品開発でも自動化が容易な設計を重視する。IATF16949認証取得済みで、今後はEVなどへの展開も本格化。5G基地局用部品にも力を注ぐ。

 深圳工場の展開について、富田社長は「幹部社員の業務ローテーションにより人材育成に努める。車載展開を見据え、21年中にクリーンルーム設置を完了する予定で、さらなる品質向上につなげる」と展望を語った。