2021.03.26 【中国拠点特集】SMK東莞昭和電子有限公司
東莞工場の外観
一貫サービス提供の強みを生かす
SMKの東莞工場(東莞市)は、今年度(21年3月期)は期初計画を上回る生産推移が続いている。堅調な欧米向けSTBリモコンや住宅設備用リモコンに加え、新規製品が業績をけん引している。
東莞工場「東莞昭和電子有限公司」は、リモコンやジャック/コネクタ、スイッチなどを生産する同社グループの海外主力工場の一つ。プレス、成形、めっきをはじめ、金型・自動機の設計・製作、印刷、製品設計などあらゆる機能を備え、付加価値の高い生産活動と顧客サービスを行う。従業員数は約1850人。
20年序盤は新型コロナの影響を強く受けたが、3月末にはほぼ正常化。4月以降は計画を上回るペースで推移している。長島広和総経理は「20年度は期初段階では3割前後の減収を予想したが、最終的には約3%減となる見通し」と話す。
背景は、欧米向けSTBリモコンが計画を上回ったことや、新規製品の2輪車用操作ユニットの生産増、住設用リモコンの増加など。「リモコンはグループの他工場が一時ロックダウンの影響を受けたことも東莞の生産増につながった。テレビ用FPCコネクタの生産本格化も寄与した。PC用部品や体温計用スイッチなども増加した」(長島総経理)。
同工場は増産や生産性向上のための設備投資を順次実施し、SMTは10ライン、成形機は104台を導入済み。STB用リモコンの生産は既に自動化済みだが、住設用リモコンも今年4月からの自動化を計画中。内製率は成形が90%以上、プレスも約90%に達する。
21年度の展開について、長島総経理は「STBリモコンは期中に生産が終了する製品があるため、その後の対応を模索していく。欧米系を中心に新たな得意先からの引き合いが増加しており、東莞の事業推進室と日本の事業部との連携で新規ビジネス開拓につなげる。部品加工や金型設計・製作、SMTなどの一貫サービスを提供できる強みを生かしていく」と話す。