2021.05.08 入院患者や家族、医療従事者などのコミュニケーション改善効果を検証シャープが実証実験を開始

「遠隔応対ソリューション」を活用

 シャープは19日から、同社の「遠隔応対ソリューション」を活用し、入院患者や家族、医療従事者などのコミュニケーション改善効果を検証する実証実験を開始する。 実験は東京医科歯科大学と連携して実施。タブレットなどのビデオ通話機能により、コロナ禍で困難となっている家族との面会、医療従事者との面談を実現する。

 遠隔応対ソリューションは、医療機関や福祉施設向けに20年7月に発売。スマートフォンやタブレットにより、 病室やナースステーションなどのスタッフルームをつなぎ、 非接触でのコミュニケーションを支援するものだ。

 今回の実証実験は、 東京医科歯科大学医学部附属病院の集中治療室に入院する患者5人の家族の協力を得て実施する。

 現在、病院では感染症対策の一環として入院患者の面会が制限され、コミュニケーション機会が減少している。また、医療従事者と家族との面談時に患者が同席するのが困難となり、説明に必要な応対時間が長びく傾向に。患者や家族の心理的負担、 医療従事者の負荷が増大している。

 実験では同ソリューションを活用し、病室や患者家族の自宅にタブレットを設置。 ビデオ通話機能を使って患者と家族の〝面会〟を実現するほか、 医療従事者と家族とのコミュニケーションの向上を図る。

 実証実験は約6週間行う予定。期間中や終了後に家族の満足度、医療従事者の負担軽減の度合いなどのアンケート調査、 医療従事者の応対時間や回数などの確認を行う。同ソリューション導入によるコミュニケーションの改善効果に加え、 コミュニケーション深化への効果も検証する。