2021.05.13 電子機器・装置の高性能化、高付加価値化を支えるセンサーの新製品開発・投入相次ぐ

ホール・ベース電流センサー(TDKミクロナス)

サーマルダイオード赤外線センサー(三菱電機)サーマルダイオード赤外線センサー(三菱電機)

 センサーは、各種電子機器・装置の高性能化や高付加価値化を支えるデバイスとして重要視されている。近年は、自動車の自動運転やEV化を支える車載用センサーや、産業機器・ロボットの高性能化に対応する産機用センサー、IoTシステムを構築するIoT向けセンサーなどの新製品開発・投入が相次いでいる。モバイル機器向けでは、需要が急増するウエアラブル端末向けの超小型センサー開発などが進展。電子部品メーカー各社は、今後も各種用途に最適化した小型・高精度・低消費電力の新型センサー開発を加速させる。

車載用センサー

 自動車の高機能化・電子制御化の進展に伴い、各種車載システムを制御するための多様なセンシングデバイスの搭載が進んでいる。車載センサーの用途は、ADAS/自動運転関連をはじめ、ボディー制御系、パワートレイン系、EV/PHV用など幅広い。今後も「CASE」「MaaS」をキーワードとした自動車の進化が新たなセンシング用途を生み出していくことが予想され、自動車1台当たりのセンサー搭載数量は右肩上がりでの推移が予想されている。

 自動運転向けセンサーフュージョンでは、今後、飛躍的な需要増加が見込まれる車載用LiDAR(ライダー)の実用化に向けた技術開発が活発。車載用LiDARには様々な方式があるが、最近は機械式に加え、小型化や低コスト化で優位とされるMEMS式への参入を目指す企業も増加している。

 車のドアやトランクなどの開閉検知用センサーでは、冗長性確保のため、1個のスイッチで2回路の同期切り替えが可能な製品が開発されている。ボディー系では、高精度なガラス曇り検知センサーによる快適性向上と燃費改善が提案されている。EV用バッテリーマネジメントシステム(BMS)の高効率化に向けた高性能な電流センサー開発などにも力が注がれる。

ロボット用センサー

 産業用ロボットには、荷重検知用の圧力センサーや関節角度検出用のポジションセンサー、姿勢制御用のジャイロセンサー、加速度センサー、光学式センサーなど多様なセンサーが搭載される。これらのセンサーは、機器の高性能化に伴い、一層の高精度化や小型軽量化、耐振動性などが求められている。

 センサー各社は、MEMS技術や高度なパッケージング技術を駆使することで、汎用性に優れた高精度なロボット用センサー開発を強化。超小型かつ高分解能のセンサー開発により、ロボット用部品市場への参入が志向されている。

モバイル機器用センサー

 スマートフォンやタブレット端末、ウエアラブル端末などのモバイル機器では、様々なセンサーが使用される。特に第5世代移動通信規格の5G化で高性能化が進むスマホでは、多様なセンサーの標準搭載が進み、超小型センサーの需要を押し上げている。

 スマホ用センサーの種類別では、CMOSや加速度、電子コンパス用3軸地磁気センサー、タッチセンサーなどが標準搭載されるほか、ジャイロセンサー、カメラ用手振れ補正センサー、照度センサー、デジタル気圧センサーなどが使用される。高級機ではデジタル湿度センサーや指紋認証センサーなども搭載され、顔認証センサーなどの搭載も本格化している。近年は、スマホのカメラ機能向上に伴い、CMOSセンサーの員数増などが進んでいる。高密度実装に伴い、6軸(地磁気+加速度等)などの多軸センサー開発も活発化している。

 ウエアラブル端末用の超小型センサー開発も活発で、スマートウオッチやスマートグラス、ワイヤレスイヤホン、スマートテキスタイル向けに、超小型・高精度を追求した製品開発に力が注がれている。