2021.07.16 【電子部品技術総合特集】研究開発の取り組みホシデン・中井保夫執行役員技術本部長兼研究開発・技術管理担当
中井 執行役員
開発スキームで改革 組織間の連携で相乗効果
ホシデンは機構、音響、高周波、無線、光学、表示デバイスを中心としたコアテクノロジーに基づく製品開発、将来の需要を見据えた次代を担う新技術の創出に取り組む。
中井保夫執行役員技術本部長兼研究開発・技術管理担当は「ホシデングループの全技術を取りまとめ・棚卸し・データベース化の枠組みを固め、技術者のマーケティング意識向上プログラムを推し進め、研究・開発テーマの徹底した合理化に努めてきた。これにより、さらに伸ばすべきコアテクノロジーと、新たに取り組むべき技術領域が明確に区分できた。技術領域面から見た合理化に加え、組織間連携による相乗効果をより効率的に発揮すべく、開発スキームで適宜改革を行う。一部の技術領域・開発テーマでは、研究部門と製品開発部門の連携を強化している」と説明する。
▽車載(建機・農機・AGVなどを含む)▽アミューズメント▽AI・IoT関連機器(FA・産機・住設を含む)▽医療・衛生・美容・健康機器の重点市場に加え、コロナ後の衛生、在宅、非接触に対応して入力出力デバイス/ヒューマン・マシンインターフェースは、自動車用大型・曲面表示パネル、静電容量式タッチパネル・タッチスイッチ、新規機構の独自触感デバイス、声や音を利用したアレイ化・モジュール化で機能をパッケージ化した開発を加速。接続デバイス/マシン・マシンインターフェースは、自動車ECU向け基板実装や車載カメラ用のコネクター、中継コネクター・ハーネスで小型、堅ろう、伝送特性、ノイズ耐性に優れた製品開発に注力。細径・軽量の同軸ハーネス対応品も拡充する。
音響デバイスは、車載用に高機能マイク・スピーカーとともに、単機能デバイスを組み合わせた安価で高付加価値のセンサーモジュールを開発。高機能オーディオ機器向けスマートスピーカー、ワイヤレスヘッドホン、音響などのコアテクノロジーを応用した素子単体からモジュール品まで、各種センサーデバイス開発にも注力していく。無線通信モジュール、ワイヤレス給電モジュールの開発も継続する。
本社の開発体制強化に加え、欧米、アジアの設計・開発体制、情報収集機能を整備する予定。外部連携も強める。昨年オンラインで開催したプライベート展のホシデン技術展示会2020の引き合い、要望に応えた新製品開発も進める。
信号伝送効率、熱効率の最適化のシミュレーション技術を環境対策ツールとして活用。新エネルギー関連事業にも取り組む。