2021.09.21 大打撃の航空業界「量子コンピューター」が救う?応用技術の将来像展望

航空業界への量子コンピューター技術の応用が期待される(出所:日本IBM)


 新型コロナウイルス感染拡大で大打撃を受けた航空業界を量子コンピューターが救う?―。日本IBMが21日に開催した量子コンピューティング時代のビジネス変革をテーマにした記者説明会で、こんな量子技術の将来像が報告された。

 量子コンピューターは、従来のコンピューターが「0」か「1」のビットという単位で情報を表して計算するのに対し、0と1を重ね合わせた「量子ビット」を単位に計算する。全ての値を同時に計算することが可能になり、スーパーコンピューターで1万年かかる計算を数分で行う能力があるとされる。

 説明会では、航空や金融、医療といった分野での量子コンピューターを応用した将来像について紹介した。コロナ禍で記録的な損失を受けた航空業界では「たった一つの運航トラブルを解決するにも、現在のコンピューターでは、数年あるいは数世紀かかってしまう」と前置き。量子アルゴリズムの改善やエラー訂正の方法といった技術の活用により「復旧までの時間の大幅短縮や運航トラブルで生じるコストの削減、乗客に対する悪影響の緩和を実現できる可能性がある」と指摘した。(詳細は23日付の電波新聞、電波新聞デジタルに掲載します)