2021.11.17 【InterBEE特集】NHKテクノロジーズ立体音響対応で小型化の「小型Octaマイク」展示

マイクロホンアレイ装置「小型Octaマイク」

 NHKテクノロジーズは「ニューノーマルな放送技術」をテーマに①どこでもエンデコ②小型Octaマイク③映像/音声番組送出ソリューション④感情表現字幕システム⑤運用職場での遠隔AI監視・業務サポート技術⑥高機能FM中継装置/FM同期放送⑦可搬型8Kライブ伝送システムを出展。ユニバーサルメディア、ウィズ/アフターコロナなど、未来を見据えた放送技術の開発や取り組みを訴求する。

 近年、高画質映像とともに音響にも注目が集まる中、オーディオテクニカと共同開発し、小型軽量化と高音質化を実現した、さまざまな立体音響に対応できるマイクロホンアレイ装置「小型Octaマイク」2機種を展示する。8本マイクを用いて水平360度方向の音を集音でき、1層で5,1chや7.1chの集音、2層以上で22.2ch音響などのイマーシブオーディオやVR音響の集音に使用できる。

 小型OctaマイクOmniは、無指向性マイクロホンと音響特性を追求した形のハウジングをゼロから開発し小型化を実現。小型OctaマイクCardioidは、単一指向性マイクロホンと折り畳み可能な筐体を開発して小型化を図った。ブースで両機種のデモ音源視聴を行う。

 同社はユニバーサル放送への取り組みとして、話す人の感情をAIで読み取り、デザイン性の高い字幕を自動生成する感情表現字幕システムを大日本印刷(DNP)と共同で開発した。視聴者に、より表現豊かな字幕放送を提供する。DNPの「DNP感情表現フォントシステム」を活用して動画の映像と音声をAIが解析。字幕の自動付与と最適なフォントへの自動変換を行い、映像内の人物の顔を認識して発話者の口元の近くに字幕を自動的に表示する。今後、字幕・テロップ制作の効率化を目指す。

 可搬型8Kライブ伝送システムは、システム紹介ビデオ上映による出展。同システムは一般公衆モバイル回線を利用しているため、電波が届く場所ならどこからでも手軽に8K映像を伝送できる。電波状況が悪くなっても映像が途切れにくいのも特長だ。

 アフターコロナを見据えて開発された放送制作に特化したTV会議システムとして、パソコンの利便性と放送品質を両立させた、どこでもエンデコも展示。

 そのほか、AIやリモート技術を活用して運用職場のニューノーマルな働き方を提案する、運用職場での遠隔AI監視・業務サポート技術や、制作した番組を指定時間通りにオンエアーさせるための自動運行システム「オールインワンプレイアウトシステム」を含む番組送出ソリューションなどを紹介する。送受信が同一周波数の放送波中継が可能な高機能FM中継装置と同社のFM同期放送の施工事例のパネル展示も行う。