2021.11.29 【掃除機特集】スティック型が市場牽引
セパレート型コードレススティック掃除機「パワーコードレス」MC‐NS10K
年末の大掃除に向け、この時期は掃除機へのニーズが高まる。このところコロナ禍によって在宅時間が増えたことから、室内の清潔や快適性への意識も向上し、掃除機が注目されている。軽量で取り回しに優れたコードレススティック掃除機を中心に買い替え、買い増し提案が重要となる。
近年、掃除機市場では、軽量で掃除のときに負担が少ないコードレススティック掃除機の販売構成比が高まり、中心的な存在となった。
掃除機各社では、新商品開発に力を入れており、コロナ禍で浸透した清潔意識は今後も継続するとみられ、今期以降も安定した需要が見込まれている。
市場では、高齢化や共働き世帯の増加を背景に家事負担軽減へのニーズが顕在化し、在宅時間の増加によってさらに家事負担が増えたことで、家事省力化へのニーズはより大きくなっている。
軽量で取り回しに優れたコードレススティック掃除機は、掃除負担の軽減につながるため、ロボット掃除機と合わせ、近年注目されている。
新しい生活様式が定着し、在宅時間が伸びたことで、まめに掃除をする人が増えていることから、サッとその都度掃除したい人には最適な商材といえる。
掃除機市場で従来は主流だったキャニスタータイプの掃除機の出荷は減少しており、家庭ではコードレススティック掃除機をメインの掃除機として使う人も増えている。掃除機各社では、軽量化とパワー向上を両立させた商品戦略に力を入れている。
2020年度の掃除機全体の需要は前年度比2桁(11.8%)増の488万4000台(日本電機工業会=JEMA調べ)と好調に推移し、とりわけコードレススティック掃除機は同19%増で推移。掃除機全体の中でコードレススティック掃除機の構成比は64%(シャープ調べ)まで高まったという。
21年度は、掃除機全体は前年度好調の反動で伸び率は鈍化するとみられるが、コードレススティック掃除機がけん引し、上期(4~9月)は需要が拡大した前年同期と比べても出荷は伸び(前年同期比100.9%)、依然として根強いニーズをうかがわせる。
パナソニックの主力製品
パナソニックは、ニューノーマル(新しい日常)の時代に、一人一人のライフスタイルに合わせた「ちょうどいい」くらしを実現する新たな家電やサービスの展開を始めている。
掃除機では、掃除の始まりから終わりまで、「ラクに使えて、しっかりキレイ。」をコンセプトに、業界初となるセパレート型コードレススティック掃除機を開発、10月下旬から発売した。
「パワーコードレス」MC-NS10K
セパレート型で負担軽減
新製品「パワーコードレス」MC-NS10K(オープン価格、市場想定価格=税込み6万5000円前後)は、国内で初めてスティック本体から分離したダストボックスを充電台に内蔵した、セパレート型のクリーンドックを搭載する。
1回の掃除ごとに本体にたまったごみをクリーンドック内の紙パックに自動収集する。これにより、スティック本体のごみ捨てをなくし、掃除後の手入れを大幅に軽減する。
ダストボックスを分離したことで、本体はスリムで軽量なデザインとなった。クリーンドックに設置された本体を手前に引くだけで簡単に取り出すことができ、手元にかかる重量が約0.45キログラム(本体質量約1.5キログラム)と軽量化を実現、掃除中は軽く動かすだけで操作できる。
掃除終了後もクリーンドックに設置するだけで、ごみの収集と充電が自動で開始するため、掃除の始まりから終わりまで負担が大幅に軽減される。
クリーンドックの紙パックの交換は1カ月に1回。簡単・清潔に交換できる上、ノズルは髪の毛やペットの毛も絡みにくい「からまないブラシ」搭載で、手入れの負担も大幅に軽減できる。
本体とクリーンドックは、いつでもサッと掃除できるように、リビングなどの居住スペースに置くことを想定し、空間に溶け込むデザインを採用した。
本体にはクリーンセンサーを搭載しており、約20マイクロメートルの微細なごみもランプで知らせるため、見えないごみも逃さず掃除できる。
クリーンドックには「ナノイーX」を搭載。掃除後にスティックを戻すと、1日当たり約4時間ナノイーXが放出され、紙パック内に集めたごみを除菌・脱臭する。ペットの毛などの気になる臭いも脱臭するので、リビングなどの居住スペースに設置することができる。
同社によると、発売以降の売れ行きは好調で、10~11月の販売は計画の1.5~2倍で推移しているという。
面倒な本体のごみ捨てが不要、紙パックで便利、軽々と操作できる、居住空間になじむスタイリッシュなデザインといった点が高く評価されているという。
同社では12月5日までテレビCMや、トレインチャンネルなどの展開で、さらなる認知拡大に取り組むとともに、店頭ではセパレートコードレスの新しい掃除体験を一連で体感してもらえる実演ツールを準備し、状況に応じた体感イベントなどに取り組んでいく。