2019.12.03 【新4K8K衛星放送特集】カナレ電気 容量バリエーションと高速性両立のストレージ提案

ストレージ「NAS 4U 36Bay」

 カナレ電気は、これまでのSDIを中心とした製品に加えて、IP製品分野へ踏み出した。先日行われたInter BEE2019では新製品としてIP関連製品の①ストレージ②SDVoE(Software Defined Video over Ethernet):10GbE-4K伝送ネットワーク③10-40Gケーブルアッセンブリを披露した。

 従来のブーススペースを拡大し、かつその約半分のスペースをIP関連製品の展示に充てた今回の展示で、「従来のカナレ品質とその信頼をIP製品に展開されるのですね」と、来場者から驚きと期待の声が寄せられていた。

 新製品は全て直近で発売を完了しており、展示会で商談の場面も見られるなど、活気のある披露となっていたのが印象的だった。特に、今後の「新4K8K衛星放送」への事業拡大の期待として「ストレージ」が高い関心を集めた。

 放送のIP化が既に進んでいるポストプロダクションや報道用途のNear Line Storageと呼ばれる領域に属する。この領域では放送局、スタジオの規模に応じた容量のバリエーションに加えて処理速度の高速性が求められる。

 従来の製品では特にワイドな容量領域をカバーしながらの処理速度の高速性に物足りなさがあるとの課題があった。こうした状況を背景として、容量のバリエーションと高速性の両立を実現した製品の要望が強い。今後の4K・8Kの進展にはさらにサクサク感のある高速処理が求められている。同社はこの領域への期待に応えるべく業界トップレベルのNear Line Storageを実現した。

 同ストレージは16ギガバイトから288ギガバイトまでの製品容量にさらに拡張筐体を接続することでペタバイト級までのワイドな容量をラインアップ。高速性にこだわり内部スループットは3ギガバイト/秒(4U-36Bay)を確保している。

 「4K8K時代の大容量ストレージ、ケーブル・コネクタのカナレから」をキャッチフレーズに、同社のこれまで培ってきた「信頼性」×「提案力」×「サポート力」という三つの強みを切り口に業界に貢献していきたいと強調している。SDIの老舗の同社だが、今後の4K・8Kに向けたIP関連製品に期待が寄せられている。

【新4K8K衛星放送特集】目次

視聴機器、10月末で累計218万6000台 4Kテレビのチューナ搭載当たり前に
新4K8K衛星放送1周年セレモニー開催 2年目に向けた体制整う
NHK編成局 稲毛重行専任局長と落合淳編成主幹に聞く年末年始のコンテンツ見どころ
パナソニック 4Kテレビ全シリーズにチューナ搭載
朋栄 マルチパーパスシグナルプロセッサ「FA-9600」など4K・8K制作ニーズ対応
●カナレ電気 容量バリエーションと高速性両立のストレージ提案