2022.06.02 NIMSと磁石大手が研究開発でタッグ脱炭素の鍵、特定国への依存も減らせるか

研究設備の一部(提供=NIMS)

 ロシアによるウクライナ侵攻や中国の状況など、希少資源をめぐる地政学リスクが課題になる中、次世代の自動車や再生エネルギーなどのカギにもなるのが、モーターに不可欠な磁石。その研究に、オールジャパンの取り組みが本格化する。

 物質・材料研究機構(NIMS)と、TDK、大同特殊鋼、信越化学工業、日立金属の磁石関連4社が5月末、オープンプラットフォームを立ち上げると発表した。

 データドリブンな開発を推進。個々の企業では難しいデータベース作り、基礎研究など「地味な分野」(参加企業)を基盤に、高性能化とともに、希少元素をなるべく使わない磁石開発などにもつなげられる可能性がある。

 直接的にも数兆円市場ともされる分野で、自動車の主要各社も関心を寄せる研究開発。素材関連は、日本の産業界が競争力を保つ分野だけに、取り組みが注目されそうだ。(3日の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)