2022.06.09 パナソニック、初の1000万台突破ナノイー発生デバイスの21年度世界出荷

ナノイーX ロゴ

彦根工場で生産された1000万個目の第4世代ナノイー発生デバイス彦根工場で生産された1000万個目の第4世代ナノイー発生デバイス

 健康・快適ニーズが高まるなか、パナソニック独自のクリーンテクノロジーの一つ、ナノイー発生デバイスのグローバル出荷台数が21年度、初めて1000万台を突破した。

 ナノイー技術は、同社独自の空気浄化技術で、1997年に当時の松下電工が研究開発に着手。2003年にナノイーデバイス開発に成功し空気清浄機に搭載して以来、発売20年を経て累計の出荷台数は8100万台を数える。

 今では、住宅からオフィス、公共空間、店舗、自動車、鉄道などの分野で、グローバルに幅広い空間で使われている。

 ナノイーは、高反応成分OHラジカルを含む水に包まれた微粒子イオン(5~20ナノメートル)で、水に高電圧をかけて大量のOHラジカルを発生させ、有害物質に作用することで、様々な物質を変性させる技術。

 空気清浄機に搭載した初代のナノイー発生デバイスは、霧化ユニットに水が入ったタンクを取り付けた大型のデバイスだったが、05年にペルチェ素子を採用するなど技術の進化で小型化を図るとともに、最新の第4世代(新ナノイーX)では初代ナノイーと比べOHラジカルの発生量が100倍の毎秒48兆個となり、除菌・脱臭効果が格段に向上している。

 OHラジカルは、外郭に電子が七つしかなく(安定状態は8個)非常に不安定で、電子を一つもらって安定状態に戻ろうとするため、非常に強い反応性を持っている(=寿命が短い)。

 ナノイー技術の優れた点は、寿命が短いOHラジカルの長寿命化に成功したことだ。微細な水滴の中に、多くのOHラジカルが守られている格好となっており、約600秒もたせるため、様々な有害物質と反応が進む。

 ナノイーの効果は、主要なカビや花粉・アレル物質の抑制、生活臭の脱臭、PM2.5に含まれる有害物質の分解、浮遊・付着する菌・ウイルスの除菌・抑制、美肌・美髪効果がある。

(15日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)