2022.07.01 【家電総合特集】空気清浄機空気質に注目が続く、多彩な清潔・快適機能が向上

健康・清潔意識を背景に室内空気質の向上には関心が高く、空気清浄機も堅調な推移が見込める

 コロナ禍で健康・清潔意識が高まる中、室内の空気質への関心が高まっている。新型コロナウイルス感染症のまん延は収束のめどが立たず不透明な状況が続いているため、健康、清潔意識は、依然として高止まりしている状況だ。

 こうした中、テレワークの浸透など新しいライフスタイルが浸透し、在宅時間もが増加傾向にあり、室内の空気質については将来にわたって高い関心を引き続けると見られる。

 室内の空気質への関心が高まる中、空気清浄機や除菌脱臭機といった空質商品への注目は続く。

 中でも空気清浄機は、近年パワフルな集じん性能やイオン発生機能、UVやオゾン除菌、除湿・加湿機能搭載といった多彩な清潔・快適機能の向上で、高水準の需要が続いていた。

 とりわけコロナ禍が始まった2020年度は、想定以上の需要が顕在化し、過去最高の出荷台数(前年比77%増の約360万台)を記録することとなった(日本電機工業会=JEMA調べ)。

 ただ、21年度はこの反動もあって、前年比29.1%減の254万1000台にとどまった。前年から落ち込んだものの、平年ペースと比べれば250万台程度の需要は大きく、引き続き高い出荷水準を保っているといえる。

 22年度については不透明だが、安定して200万台以上の水準が見込まれている。

 新型コロナのまん延は、多くの人の空気質に対する意識を高め、新型コロナが落ち着いても、すぐに関心が弱まることはなく、新しい生活様式が浸透した今、空気質に関わる商品への注目は変わりなく続いていきそうだ。

 空気清浄機で近年主流となっているのは、加湿機能を搭載した複合モデルで、中には除湿機能まで一体となった高付加価値モデルもある。

 加湿空気清浄機の場合、花粉・ハウスダスト除去に加え、最適な加湿による冬場のウイルス対策にも効果を発揮でき、年中清潔・快適な空間づくりに貢献し、年間通して商品提案が可能だ。

 またイオン発生機能により、浮遊菌・ウイルスの抑制効果を発揮したり、本体に取り込んだ空気に含まれる有害物質や菌などを深紫外線や強力な放電で抑えるといった除菌技術も進化しており、清潔志向に応える製品開発が活発となっている。

 清潔・環境意識の向上は、家庭用分野にとどまらず、店舗、オフィス分野でも重視されており、近年各社は業務用空気清浄機の商品開発にも力を入れ、空気清浄機市場の裾野を広げる動きも活発となっている。