2022.08.10 家電量販店5社4~6月期、都市封鎖の影響などで全社減収高付加価値品への需要は継続

エアコンや冷蔵庫などで続く高付加価値品の人気が各社の業績を下支えする

 上場する大手家電量販店5社の2023年3月期第1四半期(1Q、4~6月)連結決算が出そろった。巣ごもり需要の反動や物価高による消費マインドの低下、上海ロックダウンの影響による商品供給の停滞などが響き、全社が減収となった。原材料費の高騰や為替の影響で家電でも商品価格の値上げが進んでいるものの、エアコンや洗濯機など高付加価値品に対するニーズは強く、下期にかけても全体的な需要を下支えすると見られている。

 最大手ヤマダホールディングス(HD)は、「暮らしまるごと」戦略を加速するための新規出店や既存店の改装などの店舗投資が先行したこともあり減収減益。店舗投資は下期にかけて業績に貢献してくると見ている上、これまで取り組んできた経営改革による企業体質の強化は着実な成果となって表れているとする。

 ケーズホールディングス(HD)もテレビ販売の減速やロックダウンの影響などで減収減益。販管費が拡大したことも利益を圧迫した。エアコンや冷蔵庫、洗濯機などで付加価値の高い商品の人気は継続するとして着実な利益確保を計画する。

 増益となったエディオンは、一部店舗で時短営業や臨時休業した前年に比べて消費マインドは好転しつつあるとする。エアコンが1.3倍、リフォームが1.2倍と前年同期から受注が拡大しており、収益に貢献した。

 ノジマも増益を確保。家電店の運営事業では冷蔵庫や洗濯機の販売が好調で、テレビの不振はあったものの、増収で推移した。注力している海外事業もコロナ感染のピークアウトが続いたことで、商業施設などへの客足が戻りつつあり、売り上げと利益に貢献。

 上新電機は減収減益。巣ごもり需要の反動や物価高による消費マインドの低下などが響いた。そうした中でもエアコンや冷蔵庫、携帯電話、PC関連などが伸長している。
(11日付電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)