2022.10.12 【日本ロボット工業会創立50周年特集】JUKIオートメーションシステムズ 北口浩嗣取締役副社長執行役員

北口 副社長

マウンターのシェア拡大、非実装領域の強化も

 日本ロボット工業会が半世紀にわたってロボット業界の発展に果たしてきた役割は大きい。

 当社は1938年の創業以来、世界の産業界の発展に貢献し、現在は180カ国にお客さまを持つグローバル企業として、さらなる進化と変革を続けている。80年代後半から家電製品などの製造プロセスがリード部品からSMTに変わっていくのに伴い、マウンターに参入した。

 88年にエントリー機としてKP-370、KP-480を発売し、93年には高速チップマウンターKE-710、続いて高速汎用(はんよう)マウンターKE-720を市場に投入した。こうしたマウンター事業の拡大に合わせて、日本ロボット工業会の活動にも参画してきた。

 現在はマウンターを中心とした産業装置事業と、ミシンの縫製機器事業をJUKIの主力事業としてグローバルに展開し、当JUKIオートメーションシステムズはJUKIの産業機器&システム事業を担っている。

 事業戦略としてマウンターのシェア拡大と「JUKIスマートソリューション」の推進、非実装分野における新規領域の拡大に取り組んでいる。

 JUKIスマートソリューションは実装統合システム「JaNets」を活用し、10万CPHの高速マウンターRX-8を中心に自動倉庫から検査機、後工程自動化装置に至る実装工程全体での生産性向上を実現する。

 非実装領域ではロボットを活用した自動化ソリューションの展開や、電子部品向けの自動倉庫の異業種への展開を強化。自動倉庫は、プラスチック成型部品、金属部品など異業種に展開し成果を上げつつある。

 また、直進型レーザー技術を持つベンチャー企業のXTIA(クティア)との協業により、金属部品の不良の有無の検出や寸法などを計測する外観検査機SE1000を発売した。自動車用金属部品の検査工程で採用されるなど、実績が上がり始めている。

 当社は中国の売上比率が高いが、需要は東南アジアやインド、メキシコなどにも広がり始めている。インドの実装機系展示会にも出展し、顧客の開拓を進めている。

 製造業では人手不足による省人化や生産自動化の要求が多い。高品質生産のための自動化も増えている。基板実装の自動化に加え、非実装のさまざまな製造業に向けて当社設備による省人化・自動化の提案を進めたい。