2022.11.16 【Inter BEE特集】ミハル通信 極超低遅延8K映像伝送展示 緊急回線バックアップ装置訴求

極超低遅延ELL8Kデコーダー

 ミハル通信は、極超低遅延8K映像伝送システムや放送局向けの緊急回線バックアップ装置などを訴求する。

 同社が注力してきた世界最高水準の極超低遅延8K映像伝送システム「ELL8K」はエンコーダーとデコーダーで構成され、これまでさまざまな実証実験を行い、低遅延・高画質で伝送が可能なことを確認している。

 今回のブースでは、8Kカメラで撮影した鉄道ジオラマ映像を、ELL8Kシステムを使い、伝送前後をそれぞれ8Kテレビに映し出し、極超低遅延を体感できるデモ展示を行う。

 低遅延での8K映像伝送を実現するためには、伝送システム全体の遅延時間が重要になる。要するに、ネットワーク関連以外の機器単体に関しても伝送品質や伝送遅延時間に影響を与える。

 同社は同システム以外の8Kカメラや8Kテレビについても遅延が少ないもので構成し、システム全体で低遅延化を実現しているとした。

 また、現在開発中の2K/4K伝送に対応した「ELL Lite」のモックアップ展示も予定している。

 放送局向けのソリューションとして、中継局へのマイクロ回線伝送のバックアップとして使える「緊急回線バックアップ装置」を展示。放送TSを伝送しているマイクロ中継回線のバックアップとしてIP回線を用いた伝送が可能だ。IP送信機とIP受信機で構成される。IP受信機には放送TSインターフェースに加え、IF出力(37.15メガヘルツ)や放送波出力(ch.13~ch.52)も備えており、モニター端子として使用も可能だ。

 また、IP受信機には放送TS入力端子も備えており、単独で簡易変調器としても使える。同装置はSFN(単一周波数ネットワーク)運用例をデモ展示する。

 参考展示として、ネットワークを利用した信号伝送技術を紹介。ブースでは研究中のRF信号をネットワーク上で伝送する技術のデモ展示を行う。

 広帯域RF信号をデジタル信号処理によりIPパケットにカプセリングして伝送し、IP受信したものを信号劣化なく低遅延でRF信号に復元する。地上デジタル放送以外にも、FM、BSデジタル放送など、さまざまなRF信号をIP化できるため広範囲な信号の伝送に応用可能な技術として、今後の展開が注目される。