2022.11.25 自動車とメタバースを強化へ 台湾メディアテック、優位性に自信

メディア向け説明会で今後の注力分野を説明するユー氏

 台湾の半導体設計開発大手メディアテック(聯発科技)は、主力のスマートフォンなどに加え、自動車と仮想空間「メタバース」市場を強化する。

 同社の2021年度のグループ売上高は176億米ドルで前年から61%増と好調だった。

 スマートフォンは同社の売り上げの55%を占める中核事業。特に、2019年に5G対応スマホが登場して以来、22年までに同社のスマホ向け売上高は4倍に伸長し、業績をけん引している。

 コーポレートシニアバイスプレジデントのジェリー・ユー氏は「5Gの普及が続く中、エントリーからフラッグシップまで全てカバーできるソリューションを提供することで、引き続き当社の成長につなげる」と意気込む。

 今後注力するのは、自動車とメタバース市場だ。

 メタバースはすでに競合が覇権争いを開始しているが、コーポレートバイスプレジデントのマイク・チャン氏は「(同社の参入は)ゼロからのスタートではない」と強調。TSMCなど大手ファウンドリーとの強固なパートナーシップで「強力なサポートが得られる」と自社の優位性に自信を見せる。

 自動車分野はADASや自動運転、車載情報システム「スマートコックピット」など多様な接続性が必要な「パラダイムシフトが起きている重要市場」との位置付け。マルチメディアやワイヤレス、コネクティビティーなどの技術を生かしてメタバースとともに開発を強める意向だ。

(29日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)