2022.11.29 【掃除機特集】在宅時間の増加で好調な需要

在宅時間の増加で、掃除の回数も増え、コードレススティック掃除機の販売が伸びている

 在宅時間が増えて、室内の清潔・快適性向上への関心が強まっている中、掃除機の販売が好調に推移している。家事負担が増え、省家事ニーズも高く、中でも取り回しに優れたコードレススティック掃除機の需要が伸びている。室内の清潔・快適ニーズは今後も根強く残り、依然として高い需要が見込まれている。

 コロナ禍で、在宅時間が伸びたことで、掃除の頻度が増えたユーザーは多い。このため掃除機市場では、軽量で取り回しに優れたコードレススティック掃除機や、ロボット掃除機への関心が集まっている。

 中でもコードレススティック掃除機の需要は拡大しており、メーカー各社では、軽量かつハイパワー、デザイン性に優れた製品が投入されている。

 掃除機市場は、コロナ禍に見舞われた2020年度、5年ぶりに増加に転じ、前年比11.8%増の488万4000台(日本電機工業会=JEMA調べ)と2桁伸長した。

 また21年度も、好調だった20年度の水準をやや上回り、同1%増の493万1000台を記録、2年連続で増加した。

 さらに22年度に入ると、上期(4~9月期)の出荷台数は、前年同期比22.8%増の276万1000台と、依然として好調な状況が持続している。

高まる清潔意識

 在宅時間の増加により、室内に対する清潔意識が従来以上に高まり、コードレススティック掃除機を中心に好調に推移、掃除機全体に占めるスティックタイプの掃除機構成比は6割を超え、主流だったキャニスター型掃除機(紙パック式やサイクロン掃除機)を上回っている。

 今後、この傾向は続き、今までキャニスター掃除機を使っていたユーザーも、スティック掃除機へ買い替える動きは加速しそうだ。

 コードレススティック掃除機のスペック、デザインは大きく進化している。電池性能の進化などにより、軽量化しながら、長時間運転も可能となっている。

 軽さ・パワーにとどまらず、ごみ取れ性能、ブラシへの髪の毛の絡みにくさなどのメンテナンス性、インテリアに映えるデザインの採用など、幅広いニーズに対応する商品戦略の活発化で、需要の顕在化に力が入る。

 また、年末は大掃除需要も高まることから、掃除機商戦の加速も見込めそうだ。

パナソニックの主力製品

「パワーコードレス」MC-NS10K

 パナソニックは、掃除の始まりから終わりまで、ラクに使えて、しっかりキレイ。をコンセプトに、昨年10月に業界初となるセパレート型コードレススティック掃除機を発売し、販売が好調だ。

「パワーコードレス」MC-NS10K

掃除後の手入れ大幅軽減

 「パワーコードレス」MC-NS10Kは、国内で初めてスティック本体から分離したダストボックスを充電台に内蔵した、セパレート型のクリーンドックを搭載する。

 1回の掃除ごとに、本体にたまったごみをクリーンドック内の紙パックに自動収集する。これにより、スティック本体のごみ捨てをなくし、掃除後の手入れを大幅に軽減する。

 また、ダストボックスを分離したことで、本体はスリムで軽量なデザインとなった。クリーンドックに設置された本体を手前に引くだけで簡単に取り出すことができるため、手元にかかる重量が約0.45キログラム(本体質量約1.5キログラム)を実現、掃除中は軽く動かすだけで操作できる。

 さらに、掃除終了後もクリーンドックに設置するだけでごみの収集と充電が自動で開始するため、掃除の始まりから終わりまで負担が大幅に減る。

 クリーンドックの紙パックの交換は1カ月に1回で、紙パックのため簡単・清潔に交換できる上、ノズルは髪の毛やペットの毛も絡みにくい「からまないブラシ」搭載で、手入れの負担も大幅に軽減できる。

 同社独自のからまないブラシは、中央に向かって先端が細くなる円すい形のブラシを2本採用した新構造で、かき取った毛をほどきながら中央に集めて吸引する。

 ブラシの毛量を従来に比べ大幅に増やした密集ブラシにすることで、髪の毛やペットの毛がブラシの隙間・根本に入り込まず、絡みにくくなり、高まる清潔ニーズに応えることができる。

 本体にはクリーンセンサーを搭載しており、約20マイクロメートルの微細なごみもランプで知らせるため、見えないごみも逃さず掃除できる。

 クリーンドックには「ナノイーX」を搭載。掃除後にスティックを戻すと、1日当たり約4時間「ナノイーX」が放出され、紙パック内に集めたゴミを除菌・脱臭する。