2023.03.22 「サメ肌」技術で抵抗減らす JALやJAXAなど研究 ニコンは半導体技術で

構造の拡大図(ニコン提供)

風洞実験の模様(提供=JAXA)風洞実験の模様(提供=JAXA)

 サメ肌で抵抗を減らす…。航空機や風力発電などの分野で、表面の素材を工夫する取り組みが進んでいる。そんな一つとして、世界で開発が進んでいるのが「リブレット」と呼ばれる技術。全日本空輸(ANA)が先に発表したのに続き、日本航空(JAL)も、宇宙航空研究開発機構(JAXA)やオーウエル、ニコンと連携しての技術開発を発表した。塗膜に施工する世界で初のタイプ。さまざまなモビリティ―などへの横展開も期待されている。

 リブレットは、サメ肌(サメのウロコ)の形状で水の抵抗が軽減されることにヒントを得て考案された、微細な溝構造。航空機の飛行時の空気の流れに沿い、機体外板に微細な溝構造を形成することで、飛行時の抵抗を軽減することができる。

 JAXAによると、1970年代当時からヒントを得て研究開発が展開され始めた。航空機の機体表面に微細な溝を成形、機体表面の渦流れを制御することで摩擦抵抗を低減する。既存航空機に適用可能なレトロフィット技術となっている。

 JAXAは、風洞活用や、スーパーコンピューター、実験用航空機などで、空力設計や評価技術の研究開発を進めてきた。飛行状態を模擬した地上試験ではリブレットの空力性能を評価。スパコンでのシミュレーションでは、リブレットにより渦が機体表面から遠のくことで摩擦抵抗が低減されることを確認。こうしたの空力技術を駆使しての研究を通じ、一連の飛行試験にもその研究成果を生かしているという。

 ニコンは事前に膜厚を増した塗膜上に、レーザーを用いて直接凹凸を形成する手法で臨む。元々、カメラ以外にも、半導体関連の露光技術など光学・精密技術を生かし、光学・精密分野での豊富な技術アセットを持つ。それを積極的に活用し、B2Bで幅広く事業を展開してきた。光の技術を活用した材料加工や造形、補修、接合、金属積層造形など多彩に展開する。それらによって、流体効率向上や高精度除去加工などを実現。航空機や風車、タービンの分野でさらなる貢献が期待されている。

 また、違う切り口で臨んでいるのはオーウエル。既存の塗膜上に、水溶性の型で塗膜に凹凸を形成する手法で臨む。

 工業用塗料の販売高で国内トップクラスの同社。商社でもあるが研究開発、製造などにもかかわっており、独自の技術力を持つ。自動車や鉄鋼、建設・建築、機械、金属製品、船舶・構造物など、で幅広い産業に対応しており、「課題解決に寄与したい」と意欲を見せる。

(23日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)