2023.03.28 Web3技術で世界最古のバチカン図書館を支援、NTTデータが実証実験で成果

バチカン図書館への支援者が閲覧するサイト。支援活動を証明するNFTが発行される(提供=NTTデータ)

 世界最古の図書館の一つとして知られるバチカン市国のバチカン図書館とその支援者をNFT(非代替性トークン)でつなぐ――。NTTデータは28日、そんな場をオンライン上に形成する実証実験を同図書館と協力して行い、有用性を確かめたと発表した。貴重な文化遺産の保全に貢献する先駆的な取り組みとして、注目を集めそうだ。

 社会や経済に変革をもたらす可能性を秘める分散型インターネット「Web3」の基盤となるのが、取引履歴を1本の鎖のようにつなげて記録するブロックチェーン(分散型台帳)技術だ。ブロックチェーン上のデジタル資産をNFTで唯一無二と証明する展開に注目が集まっている。

 実験は国内で、2月20日から3月末までの日程で実施。オンライン上で同図書館への支援者を募り、支援活動を行った証明としてNFTを発行する仕組みを実現したところ、2万人を超える利用者が閲覧。返礼品となるデジタルコンテンツも届けた。

 同社はそうしたコミュニティーの実現性を技術と運用の両面から検証し、集客を含む事業性も確認した。実験結果を踏まえて2023年度からはWeb3技術を生かしたサービスの改良に取り組み、国内外の文化・芸術分野の支援に向けて本格開発を進める方針だ。
 (後日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)