2023.04.14 経産省、量子コンピューター活用のクラウドサービスへの支援決定、42億円助成

 経済産業省は14日、次世代の高速計算機「量子コンピューター」を活用したクラウドサービスを提供する東京大学への支援を決めたことを明らかにした。経産省の認定を受けて東大は、約42億円の助成を受ける。経産省はベンチャーも巻き込みながら、同計算機の利用機会の拡大に弾みをつけたい考えだ。

 経産省によると、経済安全保障推進法に基づいて、今後5年間で約42億円を補助。国内で量子コンピューターを駆使した新ビジネスの創出や関連人材の育成などにつなげる。

 支援を受ける東大は、性能を高めた米IBM製の量子コンピューターを活用。同計算機を生かしたクラウドサービスを、東大のほかトヨタ自動車や東芝、日立製作所なども参加する「量子イノベーションイニシアティブ協議会」のメンバーに提供する。

 西村康稔経産相は同日の閣議後記者会見で、「コンピューティング基盤の強化は、わが国の産業競争力の向上、そして経済安全保障の観点から極めて重要だ」と強調。続けて「今回の支援により、そうした取り組みをさらに加速化していきたい」と意欲を示した。
(後日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)